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5人の後を付いて探索に参加させて貰おうとしたのだが、何故かわたしを最後尾にするのは嫌だと言われて真ん中を歩かせて貰っている。
アレだ、絶対に信用されてない。後ろからわたしに襲われる可能性を考えて真ん中にしてるよね、これ。
まぁ、わたしも最後尾はなんか怖いので真ん中に置いてくれるのは有り難いからいいけど、露骨に疑われてるなぁ。
「クッソ階段長くて草。で、2階に着いたけどなんか鍵掛かってんだけど」
「ガチャガチャすんな。手錠の鍵でも試してみろ」
「んーーー…あ、ビンゴ! なんか1階より狭い感じかなー。普通に入って大丈夫そうだよん」
「お、化物はいなさそうだな!」
「わぁ…躊躇なくドンドン行くね」
「あいつ等は、ああいう性格だから気にするだけ無駄だぞ」
ウキウキとした様子で部屋の中に入って行く原くんと山崎くんに、ちょっと引いていたら隣にいた古橋くんがいつもの事だと言わんばかりに呟いた。
怖いもの知らずとは、まさに彼等の事をいうのではないだろうか。
さすがに軽く中を確認したからといって、訳のわからない場所の…更に訳のわからない棟の部屋に普通はそんなに簡単には入れないと思うんだけどなぁ。
そんな事を思っていると、後ろにいた花宮くんと瀬戸くんに早く入れと急かされたので渋々と部屋に入った。
「…な、なんか誰かが住んでたみたいな部屋だね」
「生活感があるね」
「化物が住んでいた可能性が」
「ある訳ねぇだろ」
「なんかトランプとオセロ見付けたんだけど、暇潰しに使えそうだし持ってく?」
「どうせだし持ってこうぜ。鍵っぽいもんもねぇし」
「テメェ等はもっと真面目に探索しろ」
まるで緊張感のない原くんと山崎くんは、トランプとオセロを見付けた様で楽しそうにキャッキャッとはしゃいでいる。
正直、わたしは余り物に触れたりしたくはないが…花宮くんからお前も早く何か探せと無言の圧力を受けたので仕方なく小さな机の前に来た。
よくおとぎ話とかに出て来そうな、レトロな木製の簡素な机だ。引き出しは3つあるが、既に原くん達が開けた後っぽいので…見落としがないかの確認程度に引き出しを開けていく。
1つ目の引き出しの中には、青色の鉛筆と青い折り紙が入っていた。
2つ目の引き出しは、空だった。アレだ、トランプとオセロが入っていた感じだ。
3つ目の引き出しには、可愛らしいスノードームと一緒に青いコインが3枚入っていた。
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