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あの後、なんだかんだで話し合いに時間が掛かってしまったので、わたしと山崎くんと高尾くんは1度ロビーへと戻る事になった。
まぁ、着替えを終えたらすぐに戻るから大して時間は掛からないんだけど。
そして着替えを終えて、脱衣場から出ると山崎くんが険しい顔をしながら待っていて、頭を傾げた。
「山崎くん、お待たせ。それで、何かあった? 険しい顔してるけど…」
「お、おう。いや…なんつーか、瀬戸と原が言ってた事を考えてたっつーか」
「ん、瀬戸くんと原くん? 何か言われたの?」
「沢村が俺等といるせいで、俺等と同じ扱いされるって話だよ。よく考えたら、沢村にすげぇ嫌な思いさせちまってるなって思ってよ」
「…あぁ、その事かぁ。んー…確かに、何人かに霧崎と仲良くしてると凄いとか変だとか…まぁ、色々と言われたりしたけどさ。なんていうか、もう別にいいかなぁ…って思ってるよ」
山崎くんは、優しいなぁ。
だから、わたしに対して悪い事をしてたと思ってるっぽい。だけど、それは絶対にないから大丈夫だよ、うん。
それに瀬戸くんと原くんがあぁ言ってくれた時点で、なんかもう別に言わせとけばいいかなって思っちゃったし。わたしからしたら、どうしたって霧崎のみんなを贔屓目で見ちゃうし。なんだかんだあったけど…助けられて、仲良くしてくれてるし。
正直、最初はなんでわたしまで霧崎の人達と同じみたいな言い方するのってめちゃくちゃ思ってたし、むしろついさっきまで普通に思ってたけどさ…なんか、瀬戸くんと原くんの言葉でなんかどうでもよくなったよね。
「いや、でもよっ…」
「他校のみんなにめっちゃ嫌われてるし、なんか色々とやらかしてるのも知ってるけど…別にわたしは何もされてないし? 嫌いでもないし。だから、いちいち気にしなければいいかなって」
「いや…何もされてなくはないだろ。結構、酷い事したぜ?」
「それは、まぁ…最初はお互いに怪しかったし仕方なかったというか…。それに傷付きはしたけど、今はそれすら懐かしいって思えるくらいには、みんなの事を信用してるし」
「…はぁ〜〜。お前ホントに単純っつーか…バカじゃね?」
「まさかの山崎くんにバカって言われた事にビックリだよ」
大きな溜め息を吐きながら、顔を押さえていた山崎くんが呆れたと言わんばかりの顔をしてわたしを見ている。
それとわたしがバカなのは否定出来ないので、あえて反論はしない。だって、原くん達にバカだといつもバカにされている山崎くんだけど、どう考えてもわたしより頭良いからね。
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