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「ふーん。で、桃井と仲良くなったの? 相変わらず、奈々ちゃんてばチョロいねぇ」
「自分以外の女は信用しないんじゃなかったのか?」
「べ、別に仲良くなった訳じゃ…ただ少し話しただけで」
「まぁ、別にいいんじゃない? 完全に信用してる訳じゃなさそうだし」
ただ、手当てをして貰う過程で…色々と桃井さんと話をしただけで、別に特別仲良くなった訳じゃないんだけどなぁ。
正直、倉多さんの事もあったからかなり警戒してたんだけど…なんか緑間くんも気を遣ってくれたのか、何かあったら言ってくれって部屋の前で待機しててくれたりして、特に何も起こらなかった。
それに詳しくは知らないけど、緑間くんと桃井さんは仲が良いみたいだし。桃井さんも倉多さんみたいに、変に媚びを売ってる感じじゃなかったから…なんていうか、大丈夫そうな感じだった。
「それより、噴水にあった鍵もそうだが中心部にあった石について詳しく教えろ」
「えっ、緑間くんのメモもそうだけど…ちゃんと説明されたんじゃないの?」
「あ? んなの信用出来ねぇだろうが。お前は、自分で触って確認したんだろ。なら、そっちの方が正確だ。位置も紙に描け」
「な、なるほど? 中心部にあったのは、逆三角形の石で…えーと、位置は噴水がこんな感じで…真ん中に柱があって、この辺りにあったはず」
「大きさは」
「このくらい、かな? それと流石に水の中に顔は入れてないから、色とかまではわからないけど…多分、濃い色ではないと思う。光がキラキラ反射してたから…透明の可能性が高いかな?」
「ふはっ、上出来だ」
花宮くんがよくやったと言わんばかりの笑みを浮かべると、わたしが書いたメモを取りそれをジッと見つめる。
アレ、なんか花宮くんに誉められたのって初めてじゃない? いつもは、役に立たねぇなぁ…みたいな顔ばっかりしてたからね。
とりあえず、花宮くんがメモに集中しているので静かにしながら待っていると、フッとわたしを一瞥してまた何かを考える様に口元を押さえている。
……黙ってれば、花宮くんも凄くイケメンなのになぁ。口を開けば毒しか吐かないのが勿体無い。更にいえば、眉毛もちょっと気になるけど。
「明日は探索はなしって話だったが、沢村と…健太郎とザキでいいか。4人で噴水を見に行く」
「えぇー? 俺と古橋は?」
「あ? 適当に過ごしてろ」
「なら付いて行っていい? なんか楽しそうだし」
「…チッ、お前が来るとうるせぇし、面倒くせぇから健太郎とザキにしたってのに」
「よっしゃ! 絶対に付いてくわ!」
「なら俺も行こう」
「古橋、テメェも空気読めよ」
そして何故か、わざわざ花宮くんがメンバーを指定したのに無視して付いて来る気満々の原くんと古橋くんである。
まぁ、わたしには拒否権はないだろうから…別に原くんと古橋くんが一緒だろうが全然いいんだけどね。
確かに、原くんがいると騒がしくはなりそうだけど。
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