イデアの箱庭 | ナノ
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う、うわぁぁぁ…。

昨日、花宮くん達に言われた通りに誠凛の方達と探索に行く事になったんだけど…めちゃくちゃ雰囲気が怖い。

その結果、他意はないんだろうけど黒子くんがにこやかな顔をしているのが更に怖い。えっ、わたし何かしましたかね?



「…えっ、あの…余り役には立たないと思いますが…よ、よろしくお願いします」

「早速、いじめられてて草。いつものイイコちゃんはどったのー? もしかして、奈々ちゃんが俺等と仲良いからそんな態度してんのぉ?」

「大丈夫ですよ沢村さん、先輩達は原さん達が嫌いなだけですから。それに沢村さんの事は、僕から話してあるので安心して下さい」

「ド直球で草。まっ、うちの奈々ちゃんをよろしく〜。いじめたりしたら、倍返しは覚悟しといてねん」

「原さん達じゃあるまいし、僕達はそんな事しません。じゃあ行きましょうか、沢村さん」

「えっ、あっ…うん。よろしくお願いします」



黒子くんがこっちですと優しく手を引いてくれて、誠凛の方達の中に入れて貰った。

それを見ていた原くんは、相変わらずヘラヘラと笑いながら見送る様に手を振っていた。なんだかんだで、原くんもよくわからないけど…多分、わたしが居やすい様にしてくれたんだろうな。

そんな事を思いつつ、小さく原くん達に手を振るとちょっと驚いた様な素振りをしたかと思ったら、ニッと笑ってくれた。

勿論、花宮くんはさっさと行って来いと言わんばかりの顔をしていた。本当にブレないよね。いや、手を振る花宮くんとか全く想像出来ないし…なんか怖いからいいけどさ。

そして中央の棟を出て、外に出たところで誠凛の皆さんがピタリと足を止めた。



「はぁぁぁ〜…相変わらず、ムカつくぜ」

「そうか? そもそも、なんで俺等は黙ってなきゃならなかったんだ?」

「鉄平が口開くと余計にややこしくなるからよ! あっ、自己紹介が遅れてごめんなさい。私は、相田リコ。よろしくね」

「あっ、はい…沢村奈々です」

「それと誤解しないで欲しいんだけど…本当に貴女に嫌な態度を取っていた訳じゃなくて…」

「監督、余り詳しく話さなくて大丈夫です。花宮さん達と僕達の問題に沢村さんを巻き込んでしまうので」

「そ、そうね! とりあえず、改めてよろしくね。それとまだ怪我も治りきってないみたいだし、無理はさせたくないから…何かあったら遠慮なく言ってちょうだいね」


ニコリと笑い掛けてくれた相田さんに小さく頷くと、隣にいた黒子くんが安心させる様に他の人達も紹介してくれた。

……なんと言うか、本当に普通に好い人しかいない感じ? 全体的にのほほんとしていると言うか、みんな仲が良いって言うのかな…? 黒子くんと火神くんは、1年生らしいけど…そういうのもあんまり感じないレベルで仲が良いというか。

花宮くん達への態度が嘘の様な人達だった。ちなみに黒子くんが止めてくれたんだけど、めちゃくちゃ心配されたからね。いつもの、花宮くん達に酷い事とかされてないか? ってやつ。

もはや慣れたけど、毎回心配されるとやっぱり花宮くん達は本当にろくでもない事をしてるんだろうなぁ…と染々思った。


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