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花宮くんが倉多さんに対して、あそこまで感情を露にするとは思わなかった。まぁ…倉多さんに舐められてる可能性があるからってのもあるけど、何もあそこまで怒らなくても。

ていうか、花宮くん達を知らなかったわたしでもわかるけど…倉多さんは黄瀬くんに媚を売る前に、花宮くん達をどうにかすべきだったんじゃないかなぁ…って思うよ。

確かに、赤司くんも此処ではリーダーシップを発揮しているけど…それ以上に花宮くんや今吉さんの知識量と先読み能力が凄い。わたしをどうにかしたいのはわかるけど…味方に付けるべき相手を間違ったせいで、物凄い疑われ方してるし。そもそも、いくら興味がないからって花宮くん達を自由にさせ過ぎだよね。

そんな事を未だに今吉さんと話をしている花宮くんの隣で、考えていた。



「おい、他に何か違和感とかねぇのか? 実は、腹が減るとか」

「……んー、お腹は大丈夫かな? でも全く空かない訳じゃない、かも? 小腹空いたなぁ〜みたいな」

「そこはソフトなんやなぁ。普通に考えて、餓死させるんは難しいってわかっとる感じか」

「露骨に腹減った腹減った言ったら、すぐにバレるからだろ。それにその違いに気付いたら、他にも何かあるかもって体感温度にも気付きやすくなるからな」

「ねぇねぇ、すっごい話変わるんだけど…倉多さんって今はどこにいるの? ていうか、わたしってどのくらい寝てたの?」



目を覚ました時に今の状況を余り詳しく聞かなかったので、今がどういう状況なのか…全く把握していない。

わたしの体感だと…そんなに時間は経ってる感じはしないんだけど、目を覚ました時の山崎くんの反応からして…多分、それなりに寝てたっぽいし。

で、それなりに時間が経ってるなら探索に行ってた倉多さん達も戻って来てるよね?みたいな。それに、いつもならもう少し人がいるはずなのに…今はほとんどロビーに人がいないのも気になるし。

ていうか、赤司くんがいないのもちょっと違和感とかいうか…いつもなら花宮くんと今吉さんと赤司くんが話し合ってるイメージだし。



「花宮が抱えて戻って来てからは、半日くらい寝てたんちゃう? で、倉多に関しては今は普通に寝てるんやないかな」

「そ、そんなに寝てたのね…。だったら、ロビーにあんまり人がいないのも納得」

「でもまぁ、起きてる人もおるとは思うで? 誰かに用でもあったん?」

「どうせ黄瀬の事だろ。つーか、下手したら死んでたっつーのに他のヤツ気にしてる場合かよ」

「そ、それはそうだけど…気になるし、ちょっと悪いなって思うところもあるから…」



心底呆れたと言わんばかりの顔をする花宮くんに、余り強く言い返せず…語尾小さくなっていく。

いや、確かに…花宮くんの言う通りなんだけどさ。凄い酷い目に遭ったし、怖い思いもしたけど…花宮くんのお蔭で今は無事な訳だし…。


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