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約束は約束だ。
それに、確か前に読んだ魔導書的なモノに悪魔は約束を大事にするって書いてあったから…まぁ、多分大丈夫だろう。
そもそも、どうしたって確証はないし…信じる信じないって話を永遠にしてる訳にもいかないからね。だったら、わたしが腹を括るしかない。それに最初からシロは、わたしが必要で他はどうでもいいって言ってる訳だし。
で、秘密の約束をシロとする為に2人っきりにして貰った訳だけど。まぁ、真と健ちゃんから物凄く反対されたがどうにか押し切った。
それで、約束は既にしたからいいとして…
「手っ取り早くシロの呪いを解く為に、わたしが出来る事ってある?」
「…あ、るけど…」
「けど? え、まさか死ぬとか言わないよね」
「死にはしないけど…おねぇちゃんが嫌がる事はしたくないから、」
「わたし、結構なんでもやる気でいるから言ってみて。今なら、うるさい奴等もいないし」
「……えっと…、キス…とか」
「あー…なるほどなるほど? だから、わたしね…シロがなんなのか察したわ」
正直、血とか言われるかと思ったら予想の斜め上だった。だって、最初に見付けた偽物の魔導書には聖女の血が必要とかあったしさ。悪魔っていうか、髪の毛とかも白いし…吸血鬼とかそっち系なのかなーとか思ってたんだけど全然違ったわ。
ていうか、そこまで邪悪なタイプじゃなくてよかった。いや、悪魔な時点で邪悪ではあるんだけどさ。なんていうか、アレだ…人間殺したいってタイプではないから安心といえば、安心的な?
いやまぁ…わたしからしたらある意味、身の危険は感じてるけどね。
「間違ってたら悪いけど、インキュバスってやつ?」
「…うん」
「あっさり認めてて草。で、どういう原理かは知らないし興味もないけど、キスだけでどうにかなるの?」
「…うん。今の僕は、魔力が空っぽに近いから…それだけでもかなり回復する」
「ん? つまり、呪いを解くって言うより魔力供給にわたしが必要って事?」
「呪いを解くには、間違いなくおねぇちゃんが必要なんだけど…僕に魔力があれば、おねぇちゃんに負担を掛けなくて済むから…」
……んん、うーん?
流石に悪魔や魔術については、よくわからないので分かりやすく説明をしてくれる様に頼むと、少しだけ申し訳なさそうな顔をしながらシロがゆっくりと話してくれた。
へぇ…なんか複雑だな。
仮に今すぐシロの呪いを解いたとしても魔力が空っぽの状態で、役に立たない事。そして、呪いが解けた状態でわたしから魔力を受け取るとなると、わたしの身が持たない可能性が高いらしい。更に魔力が空っぽな分、加減が出来ないからわたしを殺す可能性があるとか。
だから、呪いを解く前にある程度でいいから魔力を回復させときたいとの事。それに軽い魔術なら使えるので、魔力が回復させてくれたらわたしに精神力が自動回復する魔術とかも施せるとかなんとか。
なんていうか、まーじで現実味がなくて頭がついていかないんだけども。
でもまぁ、キスくらいなら…別に減るもんじゃないし。ていうか、どっちかというとシロの方がキスするの嫌そうなんだけど、なんなのウケる。
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