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真もシロも一向に気を失ったまま目を覚まさず、ただただ時間が過ぎていった。
それでも真が抜けた穴を埋める様に、必死に健ちゃんが赤司や今吉さんと話し合って情報を纏めたりして…頑張ってくれている。
わたしも流石にもう落ち着きはしたし、起きてしまった事は受け入れるしかないので…もう大丈夫である。いや、大丈夫ではないけど大丈夫だって事にしとかなきゃ、やってらんないだけなんだけどさ。
それに時間を無駄にするのは何よりも重罪なので、今は自分に出来る事をするしかない。
「健ちゃん、シロの魔力を封印してるって呪文がかなり乱れてるって言うか、広がってるんだけど…これどうなの?」
「ん、ちょっと待って」
「ちなー、花宮の体にも変な模様みたいなの発見したんですけどー」
「ちょっと待ってってば。今、整理してるから」
「うむ、これは…どう見ても良い状態ではなさそうだが」
「花宮の方は、なんつーか…シロみたいに禍々しくはねぇけど…って感じだな」
で、シロはわたしと康次郎、真は一哉と弘が2人の体を調べてたんだけど…なんて言うか、本当に嫌なもんばっかり見付かって勘弁して欲しい。
ついでに真は、怪我もしてたから一哉達が手当てもしてる。ちなみにシロは、怪我はしてなかったからただただ体の異変を調べてるだけである。
それと、なんで手当てならわたしが真の方じゃないんだって所なんだけど、わたしのメンタルに良くないからって事で一哉が勝手に決めやがった。
つーか、まだわたしと一哉はギスギスしてるからね。あいつ、マジでキレ過ぎなんだけど。いや、わたしも自分勝手なのを自覚してるからなんも言えねぇけどさ。だからって、考えを曲げる気も更々ないから一哉がキレるのは仕方がない。
「花宮の方は、多分悪い呪文じゃないっぽいから大丈夫だと思うけど…問題はシロの方かな」
「雰囲気どんな感じ?」
「物凄く分かりやすく説明すると、内部爆発みたいな?」
「う、わぁ…」
「多分、魔力を無理矢理放出したせいで封印の魔術が過剰に反応して、内部から魔力を制御させられて意識まで封印されちゃった感じかな」
「なるほど。だが、そこまでしてシロが花宮を助ける理由がわからないな」
とりあえず、真は意識がないのと怪我以外は特に大丈夫っぽい。まぁ、なんの呪文かはちょっと気にはなるけど、悪影響があるものじゃないなら今は良しとしよう。
で、問題はシロなんだけども…康次郎の言う通りでそこまでして真を助ける理由がない。むしろ、真はシロを疑っていたし…お世辞にも扱いはよくなかった訳で、こんな状態になってまで真を助ける必要があったのだろうか。
いや、わたし達からしたら真を助けてくれた事は物凄く感謝してるけどさ。
なんか不思議だよね。
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