有能な生け贄 | ナノ
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嫌な予感と共に目を覚まし、弘の言葉を無視して話し合い部屋に向かう。

そして、何やら話し合いの最中の一哉達がわたしに気付くと不思議そうな顔をした。



「あれ、もう起きたの? つーか、まだ顔色あんま良くないけど大丈夫な訳?」

「大丈夫ではないけど、なんか嫌な予感がして起きた感じ?」

「いや、千夏の嫌な予感とかフラグにしかならないからやめて欲しいんだけど…」

「で、なんかあったの? あんまり良い報告じゃなさそうな雰囲気だけど」

「……余り、志波さんには言いたくない情報ではありますが、簡単に説明しますね」



なんか健ちゃんの顔色も悪いし、いつもヘラヘラしてる一哉も真剣っぽいから何かしらあったのは間違いない。

で、更に顔色が悪い赤司から今吉さん達の探索結果について説明されたんだけど。

へぇ…ふぅん? なるほどね。
つまり、離脱の儀式をするとわたしが犠牲になる可能性が濃厚になったと?

んー、なんかあんまり驚きはしないんだよなぁ。そもそも、いくら必要な物があるとしても術者が精神力だけで、ノーリスクな時点で怪しかったし。まぁ、それが命なのはちょっと予想外ではあるけど。



「だから、シロは完全に敵っしょ。離脱の方法の情報がある部屋を知ってた訳だし」

「…残念ですが、そうなりますかね。離脱の儀式へ誘導されている様な気がします」

「…んー、それはおかしいんじゃないかな。だって俺等が離脱の儀式をして、シロにメリットがあるとは思えない。仮に離脱の儀式事態が罠な可能性もあるけど、花宮や他の連中に疑われてる中でそれを今教えるのはどう考えてもおかしいでしょ。どうしても離脱の儀式をさせたいなら、花宮達を完全に信用させた後に儀式の方法を出した方が確実じゃない?」

「健ちゃんに同意。それに、まだその女が離脱の儀式をしたって決まった訳じゃないし。そもそも、その魔法陣はわたし達が手に入れて来た離脱の儀式のモノと違うじゃん。だから、まだシロが敵側って決めんのは早いんじゃない?」

「瀬戸くんはまだしも、寝起きとは思えへん頭の回転やな…流石は花宮に付いていけるだけあるわ」

「いや、真の思考には一生ついていけないんでやめて下さい」



嫌々、起こされたりした訳じゃないし。自発的に起きたから、そこまで脳は死んでない。ていうか、少し寝たお蔭か普通に頭は冴えてるからね。

それにしても、やっぱり呪いに掛かってない健ちゃんは視野が広くて有り難い。これで、呪いに掛かったままだったら…多分、シロを敵認定して儀式はしないとか言い出してただろうし。

でも、まぁ…正直、良い状況ではない事に変わりはないからなぁ。どっちにしろ、離脱の儀式にはリスクがありそうってわかっただけでも有り難いよね。


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