有能な生け贄 | ナノ
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原達に千夏を任せて、健太郎と一緒に話し合いをしている部屋へと戻る。

どうせ、千夏の予想通り非効率的な事を話し合ってるだろうしな。現に赤司は、 "他に方法がある可能性は?" とか言ってたからな。

あったとしても、それを探す時間もなけりゃ余裕もねぇ。だったら、既にわかってる方法を試した方がいいからな。

…ま、正直やりたくはねぇがな。だが下手に時間を掛けて、結局他の脱出方法が見つからず…その後に儀式をするってなった場合、千夏の死ぬ確率が一気に跳ね上がる。

時間を掛ければ掛ける程、化物は強くなる訳だからな。儀式後に1人になった千夏が、その化物相手にどうなるかなんて、嫌でもわかる。

…だったら、さっさと必要な物を集めて儀式をしちまった方がいい。それに儀式の準備中に出来る限り、千夏が生きて帰って来れる可能性を少しでも上げて置きたい。どうにかして、あのバカだけが犠牲になるのだけは避けたいからな。



「離脱の儀式に必要な物を探しに行く。反対意見は聞かねぇ、時間が惜しい。さっさと行く」

「は、花宮さん…ですがそれだと志波さんに負担が」

「あ? 今更だろ。それに、こうやって時間が無駄にしてる方が千夏に負担が掛かるんだよ」

「んー、なんとなく察したんで俺は花宮さん達に従うッス」

「…せやな。後の事を考えたら、下手に時間を掛ける訳にはいかんし、それに "離脱" ってのが大事なんやろ。ほんで探索のメンバーは?」



今吉さんの言葉に赤司もやっと全てを理解した様だ。

まぁ、普通に考えたら赤司の言ってる事も理解出来る。前回の事もあり、千夏に無理をさせたくないと思うのは当たり前だろうしな。

だが、それが簡単に出来たら苦労しねぇんだよ。今の状況で、みんなに無理をさせたくないとかそんな悠長な事は、言ってられねぇ。

どうしたって、前より状況はかなり悪いからな。



「俺、福井さん、高尾、緑間の4人。健太郎、今吉さん、伊月、紫原の4人だ。なんか意見がある奴は言え」

「俺は、特に大丈夫ッスよー。正直、真ちゃんがちょーっと心配ッスけど」

「…言いたくはないですけど、誠凜の方を入れるのは少し面倒な気がしますが」

「ぶはっ! 赤司からも面倒判定受けてて誠凜ウケる!」

「まぁ、ワシもおるし大丈夫やろ。それに誠凜だけ参加させないのは不公平やろ? ほな、誠凜にはワシから説明しに行くわ」



まぁ、いくら協力的になったとはいえ俺等をよく思っていないのは変わらないからな。だが、誠凜だけに楽をさせる気はない。それに前回、場を乱すだけでまともに探索もしなかったんだ、文句は言わせねぇ。

そして今吉さんがゆっくりと立ち上がると軽く手を振り、部屋から出て行った。

まぁ、探索のメンバーでこの場にいないのは伊月だけだからな。


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