有能な生け贄 | ナノ
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そしてシロの呪いやらがわかったので、こちらから質問をする形でシロに話を聞いた。

ちなみに "知ってる事" とかの釈然としない問いには答えられないらしい。まぁ、だから真達に知ってる事を教えろって言われた時も詳しくは答えられなかったみたいなんだけどね。

だから、シロから聞いた情報は脱出方法とシロが生け贄として喚ばれた化物って事くらいだったかな? 後は、召喚される化物について一哉が問い詰めてたくらいかな。あ、魔術についてもか。

で、さすがに今吉さんと抜け出してから時間が経ってるので、簡単にシロに質問をした結果…



「つまり、自覚はないけど精神を蝕まれてるって事?」

「うん。魔導書を読める人間は限られてるから…その優秀な頭脳同士で潰し合わせる様になってるの」

「じゃあ、あの2人は偽者とかやなくて…内側から知らん内に操られてるみたいなもんか?」

「そう。自覚がないから、自分はいつも通り…だけど周りはおかしい怪しいって感じで連鎖していって、内部で争うようになってる」

「でも待って、わたしも魔導書を読んだと思うんだけどさ。でも特に何もなってないんだよね?」

「……おねぇちゃんは、争いの火種扱いで器として対象外だから効かない。だから、あの2人は無意識におねぇちゃんを守りながら奪い合う動きをしてる」



……あぁ、なるほどね。
おっけー、そういう仕組みね。

つまり、今の真と健ちゃんは正常の判断が出来る状態じゃないと。しかも、自覚がないってのがかなり質が悪い。偽者じゃないから、本質は変わってない訳だし…そりゃあ、違和感だけに留まるわな。

でも残念だったな!
わたしを火種扱いした結果、違和感が分かりやすくてこっちとしてはすぐに気付けたし。

そもそも、わたしを守るとか奪い合うとかあいつ等には無縁だからな! 違和感を通り越して、恐怖でしかないよ!



「で、その呪い? を解く事は可能なの?」

「…出来ない事はないけど、精神力の消費が激しいから考えて解かないと…大変」

「…暫く動けなくなる訳ね。んー、でもこのままじゃ不味いんだよなぁ」

「なぁ、シロ。仮に呪いを解いた場合、再度呪いに掛かるんか?」

「…ううん、それは大丈夫。1度呪いが解いちゃえば、その後に魔導書を読んでも何も起こらない。その代わり、呪いのまま魔導書を読み続けると呪いが蓄積されていくから…自我が崩壊する可能性もある」



…うーわ、なら普通に解いちゃった方が絶対にいいよね。だけど、リスクが高いのがかなりネックだよね。

多分、精神力もそうだけど…解除の魔術を使える人は限られてそうだし。

あー…無駄に魔術をぶっぱしたのを悔やまれる。多分、今のわたしだと精神力が足らないだろうし。

とりあえず、シロに今の段階で呪いを解除出来る人がいるかを聞いてから、急いで話し合いをしている空き部屋へ戻った。

後は、場の雰囲気と今吉さんとわたしのタイミングで決めればいいかなみたいな? あんまり時間を無駄に出来ないし。


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