36*(1/4)
目が覚めたら、真が隣で寝てて最高に気分が悪くなった。
つーか、マジで疲れてんのかなんなのか知らんけど、真が珍しくガチ寝してやがる。
とりあえず、起こさない様に器用に真の腕から抜け出してベッドから降りた。つーか、これでも起きないのは相当だな。
いや、マジで真は色々と無理し過ぎで心身共にボロボロだから、目を覚まさないのも仕方ないね。
で、ゆっくりと部屋から出ると廊下の壁に寄り掛かっているシロが目に入ったのでちょいちょいと手招きをすると、物凄く嬉しそうに駆け寄って来た。
おや、犬かな?
「起きたんだね。よく寝れた?」
「いや、まぁ…ぼちぼち? で、なんか起こったりしなかった?」
「特にないよ。結界を張っといたから、変な奴等は入って来れない様になってるし」
「そんな事も出来んの?」
「うん、出来るよ。魔法陣はなくなったけど、移動魔法で使い魔を追加で飛ばされたりしたら面倒だから先手打っといた」
なんかわたしが頼む前に、シロの方が先に予防線張っててくれてウケる。いや、まぁ…有り難いから全然いいけどさ。
ていうか、誰も死なせないって約束してるからってのもあるかもしれんけど…本当にわたしから何かを頼む前に色々してくれてんだよなぁ。
そんな事を思いながらジーッとシロを見上げていると、不思議そうにシロが頭を傾げた。
「シロはさ、黒幕が誰だか知ってるんだよね? それにどこにいるかもわかってるんでしょ?」
「うん」
「なら、なんで今すぐに殺しに行かないの? 今の状況なら、簡単に殺しに行けるんじゃないの?」
「今すぐアイツを殺すのは簡単だけど、みんなをこの場から脱出させてない状態でアイツを殺した結果、呪いの関係で永遠にこの場に囚われたりするかもしれないし、最悪全員が呪い殺されかねないから」
「あー…そういう。簡単に殺せはするけど、後が大変みたいな?」
「そう。アイツは死にたくないからこんな事してる訳で、自分が死ぬってなった時に何もしない筈ないし、死後強まる様な呪いを掛けててもおかしくない」
「完全にこの場から脱出して、みんなの安全を確保してから殺したいって事ね」
「うん。じゃないと、おねぇちゃんとの約束を破る事になっちゃうから」
なんか色々と複雑過ぎて面倒になって来たけど、わたしとの約束を守る為に遠回りではあるけど安全な方法をとってる訳ね。
なんか、わたしが爆発して気を失ってた時はわたしから離れるとシロは弱体化するし、わたしは死ぬっていう呪いだったみたいだからね。
そりゃあ、似たような呪いを他の連中が掛けられてる可能性もあるしな。だったら、面倒でも完全にこの訳のわからない状況から離脱出来る方を選ぶか。
なんかよくわからんけど、儀式に成功したら呪いとかも解除されるらしいし。ちなみにわたしは、関係ありません。儀式、行う側だし。
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