有能な生け贄 | ナノ
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結局、あの部屋にはなんの情報もなくて地下に戻って来たんだけど…やっぱりお前等、頭おかしいんだな? 本当に寝るとか絶対に頭おかしいからな。

しかも、シロも "僕が見回りしてあげるよ" とか言い出すし。なんなの? お前等、呑気なの? 死ぬの?

休む暇があるなら、さっさと探索して儀式した方がいいだろ。本当に意味がわからないんだが。

で、なんか普通にわたしも休む側に入れられてるし、勝手に寝る人決められてるし、マジで死んで欲しい。ちなみにベッドは2つある部屋と1つの部屋があるんだけど…まぁ、1つの方にされたよね。



「……うわぁ」

「不細工な面してんじゃねぇよ」

「うるせぇバカ。何が悲しくて真と寝なきゃなんねぇんだよ。一緒のベッドとか有り得ないだろ、しね」

「俺は別に原と交代してやってもいいんだぜ? なんだったら、呼んで来てやるよ」

「おいばかやめろ」

「いいからさっさと寝ろよバァカ。俺はソファーで横になれりゃあいい」



いや、寝る気ねぇのかよ。
つーか、わたしはお前等より元気だっつってんだろ。やたらと気失ったりしてたし、そこまで眠くねぇよ。

そもそも、真はまだ本調子どころかボロボロなんだから寝ろよ。シロにある程度は回復して貰ったけど、まだ全然顔色悪いし。お前が1番、休むべきなんだからな。

とりあえず、更になんか言いたそうな顔をしている真を無視してわたしがソファーに向かう。そもそも、このソファーで横になれる程お前は小柄じゃねぇだろ。

わたしでも横になったらはみ出るんだぞ、お前とか絶対に無理だからな。むしろ、ソファーで横になる方が疲れるまであるぞ。



「真がベッド使いなよ。わたしは、ソファーでいい。別に眠くないし、そもそも元気だし」

「うるせぇバカ、テメェが使え。そして邪魔だ退け」

「素直にベッド使えや! っいた! 腕掴むな! オラッ、ベッドに入れやっ…って、ぬわぁ!?」

「ふはっ、随分と大胆だなァ?」

「抜かせクソが。お前が覆い被さってんだよ」

「あ? お前がベッドに誘導したんだろ」

「それ違わないけどちげぇよ、しね」

「どっちだよ、しね」



またしてもリアルファイトを繰り広げた結果、ベッドに押し倒された上に覆い被さられるという。なんだこれ、嫌がらせかよ。

生憎、きゅんとかどきっとかする様な女ではないので、ただただ不快である。しかも、退かないのなんなんですかね? めっちゃ睨んでくんじゃん。

こんなん、きゅんもどきもする訳ねぇわ。いや、元からしてねぇけどさ。



「見てんじゃねぇよブス」

「こっちの台詞だクソ眉毛」

「うるせぇ、さっさと寝ろゴミ」

「お前が寝ろよクズ」

「…チッ、面倒くせぇな」

「はぁ? 何言ってん、ぐうぁ! いたたた! 腕! 腕もげる! おい、やめろ! 引き摺んな! いててて、いてぇよ!」



なんかすげぇ雑に腕捕まれて、ベッドの上の方に引き摺られた。腕はもちろん、髪の毛も痛い。いくら、なんでも強引過ぎんだろ! で、痛む腕を抱えてごろごろとのたうち回るわたしを気にする事なく、真が布団を掛けた。

いや…お前、なんなん?
痛みに苦しんでるのはスルーすんのに、布団を掛けるのはなんなん? 優しさ向ける場所間違ってんだよなぁ! いや、全然優しくねぇけど!!

つーか、マジでわたしよりもお前が寝るべきなんだよ!!

ということで、痛む腕で真の足首を掴みました。その結果、ベッドの上で見事にスッ転ぶ真である。最高にだせぇ!



「っ、てめぇ…!」

「ぶふっ…ベッドでスッ転ぶ程、疲れてるみたいだし真こそ寝た方がいいんじゃなぁい?」

「テメェが転ばせたんだろ、頭湧いてんのか」

「えっ、あの! 真が! わたしに! 転ばされるとか!? え、そんな事あるんですか!? わたしに転ばされたって認めるんですか!?」

「…ブッ飛ばすぞテメェ」

「おう、掛かって来いよ」



そしてまたしてもリアルファイトに発展するわたしと真である。つーか、全然休む気ないんだけどこいつ! ていうか、普通に痛いんですけど!!

なんなんこいつ、マジで頭おかしいだろ!


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