有能な生け贄 | ナノ
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思ってたより最悪な方向に事が進んでいた事よりも、あんなにも単純な事に気付かなかった自分に苛立った。

まだ可能性はある。
なのに、何を簡単に諦め掛けてんだ。

あぁ、クソッ…あのバカが無駄にバカじゃないせいで無駄に思考を狂わせに来やがる。



「えーと…なんか普通に千夏さんとシロが探索に行っちゃいましたけど…大丈夫だったんスか?」

「はっ、今更だな。まぁ、死ぬか死なないかで言うなら大丈夫だろうがな」

「で、どうするつもりなんや? あの調子だと千夏は、躊躇なく儀式するやろ」

「どうするもこうするも、正直俺等が間に入れる状況じゃない。あいつは、千夏以外と契約する気はねぇだろうしな」

「仮に俺等の誰かがどうにか契約する事が出来たとしても、最終的に千夏を代償に出されたら意味ないですし。そもそも、悪魔は自分の不利益になる契約はしません」



可能性は、ゼロではないが…ほぼゼロに近い。しかも、それをどうにか出来るのが千夏本人しかいないってんだから、どうしようもねぇ。

あいつからしたら元から俺等なんてどうでもいい人間で、千夏を信用させる為の駒みたいなもんだ。

嘘は言えないとかほざいてたが、それすら嘘だった可能性もある訳で…そもそも、黒幕に喚び出されたってのも本当かどうかもわからねぇし。

…実は、最初からあいつの仕業だったんじゃねぇのか。



「つーか、ずっと思ってたんだけどよぉ。シロは、最初はマジでただ志波に懐いてただけだと思うぜ。まぁ、途中から嫌な感じっつーか変に感じる様になったけどよ」

「根拠は?」

「んなの勘だよ。最初は、マジで俺等を助ける感じだったけど途中から志波になにかすんじゃねぇのかって思うくらいには気味悪かったぜ、あいつ」

「な、なんでそんな重要な事を今まで言わなかったのだよ!!」

「あ? 何回か言ってだろ。あいつ本当に大丈夫なのかって」

「……つまり、青峰的には途中でなんかしらシロに変化があった結果、今の状況になったと?」

「そうなんじゃねぇの。アレだ、あいつ等が儀式の方法持って帰って来てから変だった気ぃするわ」



チッ…だからあの時、わざわざ千夏に話し掛けてたのかよ。

つーか、ならその探索時に千夏とシロの間で何かあったって事か? チラリと千夏とシロと一緒に探索に行っていたザキを見ると少し困った様な顔をして探索当時の事をポツリポツリと話し出した。


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