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「#エロ」のBL小説を読む
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・・・ほえ〜。

目の前に広がる色とりどりの花に思わず、目を見開く。



「ふふふっ、どうかな?」

「え、単純にすごい」

「俺だけが世話をしてる訳じゃないけど、なかなかでしょ?」

「むしろ、部活とかで忙しいのにこれを1人でやったとか言ったらビビる」

「ふふっ、それはさすがの俺でも無理かな。俺が世話を出来ない時は、母さんと祖母に頼んでるんだ」

「なんと華やかしい家族なんや」



正直、あたしの思っていた以上の立派な庭園に驚くあたしをよそに、嬉しそうに"これも綺麗に咲いたなぁ"なんて小さな花を指で撫でる精市がとんでもなく絵になる。

あれか、王子様か。
お花の国の王子様か。

ふむ。
これは、儚いだの王子様だのとキャーキャー言われる訳だ。まぁ、あたしの中の精市はそんな簡単なものじゃないけど。

確かに、儚いというか脆い部分はあるし、今もお花の国の王子様してるけど…なんか、それはそれで違うというか。

まぁ、精市はそんな簡単に表せないなぁ〜みたいな。



「ふふっ、どうしたの? そんな難しそうな顔して」

「いや、精市がモテる理由がよくわかったみたいな」

「それ誉めてる?」

「まぁ、一応?」

「ふふっ、まぁ見た目でモテても、正直どうでもいいけどね」

「全国のモテない男子を敵に回していくスタイル」



そしてこの辛辣さである。
いやね? 確かに、顔がよくても中身がクソだったら意味ないけどさ。

それでも顔が良いからって許される場合もある訳だよ。まさにホストとかがそれじゃん? まぁ、ホストの場合は仕事だから仕方ないんだけど。

アレだ、ただしイケメンに限るってやつ。ちなみにあたしは、イケメンだろうと許さんがな。



「俺からすると、女の子達のイケメンの定義がよくわからないんだよね」

「だから顔じゃね?」

「やっぱり?」

「だって、テニス部とか顔見ただけでイケメンだー!キャー!ってなるけど性格クソじゃん」

「ちょ、クソって」

「いや、まぁ…今はそこまでじゃないけどさ。みんな、女の子達が思ってる様な簡単な性格じゃないじゃん?」

「そうかな?」

「いや、え? 自覚なしなの? え? マジで自覚ないの? 嘘だよね?」

「ははは」

「笑い事じゃないが」



これのどこが性格がいいのか。いや、さすがに悪いとは言わないけどさ! 良くもないよね!

あたし的にテニス部で性格が良いのは、ジャッカルくんと柳生くんと弦ちゃんしかいないよ!むしろ、他が特殊というか面倒臭いよね!!

主に精市と仁王がね!
一番キャーキャー言われてる二人が一番性格に難あるよね!!

うん、やっぱり見た目ってすげぇや。



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