遠い星を数えて


家族なんかいない
親戚はずっとずっと遠くて
今では連絡さえつかない

独りだった

その時あいつと出会った。
自殺掲示板でのことだ。

あの場に行ったのが私の間違いで
間違いだった。

私はあいつに
一目ぼれしてしまったのだ。

しかし、生きる世界が違いすぎた。

好きな事があって
好きな事やって
周りに誰かしらが必ずいた

私と違うんだ。

だから、少しでも離れようと
忘れようと
物理的にではあるが離れたのだ。

この町に知っている人などいない
自分の手荷物もない
帰るつもりもない

死に場所にちょうどいいじゃないか
誰に気付かれる事無くいなくれるんだから。

少し歩けばすぐに山
道なんてものは存在しない
ただ草が茂っているだけの道だ。

どんどん奥に進んで行けば
少ない光源がさらに少なくなる。

ポツリと顔に何かが落ちた。
地面にも同様に落ちて
そして消えていった。

地面がぬかるむ
歩きづらい

ザーザーと雨は強く打ちつける

このあたりで休もうか
適当な場所に腰を下ろす

ぐちゃぐちゃで
どろどろしていて
きもちわるい

でも、もうなるようになれと思った。


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