桃色キャンディとほろにがキャラメル


バレンタインから一月が経過した。
あれから特に個人的な連絡はない。

数日前、仕事の書類に紛れて1通の手紙が届いた。
差出人は書かれていない。

仕事上こういった手紙は少なくない。
中には重要な書類が紛れていたりもする。
開封するとそこにたった一行だけ書かれていた。

3月14日 17時 丘の上にて待つ

他には何も書かれていない。
そもそも今日は3月13日。
明日の予定は仕事でほぼほぼ埋まっている。

「…まあ、誰かもわからないし後回しでいいかな…?」

兎にも角にも今日の仕事を片付けなければならない。
江戸の上層部と春雨の上層部で何やらまた会合を開くらしい。
そのセッティングや警備関係の手回し等々…。
やることは山のようにある。

身支度を整えると早々に家を出た。

1日の仕事を終え、漸く自宅へと戻る。
日付が変わる少し前くらいだろうか。
扉は無抵抗で開いた。

外出の際の施錠はちゃんとしたはず…。

扉にかけた手を離すことなく、護身用のリボルバーを手に取る。
仕事柄命の危険に晒されることも多い。
その為の護身用だ。

深く息を吐き、精神を落ち着かさせると一気に扉を開けた。
慎重な足取りで室内に入る。

開かれた窓から入る風がカーテンを揺らしていた。
部屋は特に荒らされた様子もない。

窓を閉めてから隅々まで確認し、
誰もいないことを確認してから銃を下す。

ふとカレンダーに目をやると
明日の日付のところに赤丸がされていた。

手紙の主が来た…?
何のために?

理由はわからないが時間も時間だった。
安心して眠ることは出来そうにないが布団に横になった。
余程疲れていたのか、そう時間もかからず意識が離れた。


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