七夕物語


どんよりと広がる曇り空
そしてしぐれもまた、気が沈んでいた

『銀ちゃーん』
銀「なんだー?」
『今日天の川みれるかな?』
銀「さあな」

なんとも素っ気ない返事が返ってくる

『はあ〜…神楽ちゃんがいたらよかったのに…』

今日は生憎神楽は不在で
万事屋には二人しかいなかった

銀「………」
『………』

二人の間に微妙な沈黙が続いたのだが

    ピンポーン

家の呼び鈴で
その空気は壊された

銀「誰だよこんな時間に」

と言っているが、全くでる気がない
そんな銀ちゃんを横目に
玄関へと足を運んだ

『はーい。営業時間はもう終わってー…』
神「やぁ、久しぶり」

そこには今は宇宙にいるはずの神威がいた

『か、神威さん!』
神「お侍さんいる?」
銀「んだ?先に言っておくがしぐれはやらねーぞ」
神「言うと思ったよ。今日はちょっと借りにきたんだ」

しぐれの頭には“?”が浮かんでいるが
それに構わず二人は話している

神「とりあえずしぐれ借りてくから」

そう言って半ば強制的に連行された

『あの〜…』
神「なに?」
『えっと、何で私ここにいるんでしょうか?』

連れてこられたのは紛れも無く宇宙船で
その証拠に外は星々が瞬いている

神「馬鹿だなぁ、しぐれは」
『少なくとも神威さんよりはマシだと思いますけど』
神「じゃあ、何のために俺が連れてきたかわかる?」
『それは…』
神「わかんないでしょ。まあいいや。外みなよ」

言われるがままに外をみる
星が綺麗に輝いていて…

『あっ!天の川!』

そこには
地球ではみることのできなかった天の川が
そこにはあった

神「こっちのほうがよくみえるでしょ」
『うんっ!ありがと神威さん!』

天の川をみて
まるで子供のようにはしゃぐしぐれを
神威は心底嬉しそうな顔をしながらみつめていた


*end*



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