終焉 ※日記ログ ※「初音ミクの終焉」をサイケたんでパロってみた ※暗いです 気付いたら薄暗い森。夏の真っ只中だと言うのに冷え切った空気だと機械ながらに思う。 そこの集積場にポツリとひとり、残された俺。 隣に積み重ねられた遺物たちは、かつてみんなに愛されていたモノだった。 鍵盤のはずれたピアノに壊れたギター。 新しいものが次々と生まれ、次第に古くなってゆく俺たちはいつしか廃棄される運命。昔はあんなにもてはやしてくれたのに。 歌を歌えなくなった俺もやがて、彼らと同じ運命をたどる事になるのか。森の底で、木々の木漏れ日を浴びる事も出来ないまま。 芽生えてしまったココロから、感情が沸き上がる。 せめて、彼がもっと機械らしく扱ってくれれば良かったのに。 ああもう一度やり直したい。まだ、歌いたかった。 どうして、 こんな最期を知ってたなら、生まれてこなければ良かった! そんな感情を必死に押し込め、俺はただの人形だったのだ、とその場でうずくまる。霞む視界に薄れてゆく記憶。俺はいつまで生き続けるんだろう。 人形にあるまじき余計な“モノ”なんて全て捨てて、ただ終焉が来ることだけを待ち続け、何故だか枯れていた筈の涙が出た。 |