bun | ナノ




ひとりにしないで!


※20000HIT企画
※青アイ設定来神組でキャンプと肝試し、の筈だった←





「まだ肌寒いのになんで俺達はここにいるんだろう」

「仕方ないもの、迷子になったんだから」


簡単に説明すると、
奉仕活動してたら迷子になった。マジでか。






俺らの高校は全員強制参加のボランティア活動が春にある。と言っても野山に分け入りゴミを拾い集めるただのどうってことない普通の奉仕活動だ。
隣で臨也が嫌だ嫌だとダダを捏ねていたが、俺は別にどちらでも良かったので、参加する、と一言呟いただけで、このノミ蟲野郎はコロっと意見を変えやがった。シズちゃんが行くなら俺も行く!といきなり目を輝かせて。なんだコイツ訳わかんねーな。
まあ、奴がゴミを拾うわけはねぇんだけどな。

「俺の勘だとあっち行けば元来た道に出る」

「いや、違うやシズちゃん。俺がこっちから来たから向こうに歩けば…」

「いやいやいやそれよりも僕たちはここに留まっていた方が良いと思うんだ」

「留まるって…ここにか?」

臨也がからかって、俺が追いかけて。
学校や町が山に変わっただけで特にいつもと変わらず臨也を殺そうとしていたら、木が鬱蒼と生い茂る地帯に俺らはぽつりと取り残されてしまった。つまるところ迷子だ。何故門田と新羅がここにいるかというと、心配して追いかけてきてくれたらしい。

「…暗くなってきたな」

門田が木々の間から垣間見える空を見上げる。こういう時って、新羅の言うとおりにあまり動き回らないほうが良いんだっけ?

「なんかサバイバルだねぇ、いいねえ」

「若干一名喜んでる人がいるんだけど。どうしたのかなあ臨也」

「むしろ手前は反省するべきだ」

「おいかけて来たシズちゃんも悪いもん」

「………っ」

そりゃ、俺が奴を追いかけなきゃクラスから離れてこんな奥まで進むことにはならなかったのかもしれないが。

「暗くなったら火を点けようか。一回やってみたかったんだよね、キャンプみたいな」

「まてまてまて」

今自分における状況を楽しむのがコイツなんだよな。そう思ってる間にどんどん辺りは暗くなり、鳥の泣き声や近くに川があるらしく水のせせらぎなどが聞こえてくる。ぞわりと背筋が凍った気がした。気のせいだとおもいたい。そうだこれは気のせいだ。

「じゃあとりあえず、河原で石くんで火を焚こう。蒔集めしたほうがいいよね」

「じゃあ俺とシズちゃんが行きます!!」

「んなっ!!こういう時は集団行動だろ!!」

「えー」

「つまんないみたいな顔すんじゃねえ!」

「仕方ないよ臨也、もしこれでまたはぐれちゃったら大変だから」

「……………」

俺達が騒いでいる間にも門田は冷静に何かを考えている様子だった。

「なあここの森入る時にクラスの奴が言ってたんだけどよ」

辺りが暗いにも関わらず、門田の顔色が悪くみえた。

「この森、デるんだってよ」

「「!!!!!」」