bun | ナノ




君の笑顔もすきなの


※20000HIT企画
※青アイ設定シズイザで水族館デート



「水族館に、行きたい」

「…だから俺が手前の願望をいつも聞くとは限んねーんだよ。つか行ったろ水族館、修学旅行ん時」

「あの時は新羅とかいたじゃん!2人き…じゃなくて、……2人の妹たちに今度連れて行くから、予習に」

「は?妹?」

「あれ、言ってなかったっけ。俺妹いんの。9歳の双子」

「えええ!」







よし、なんとかこじつけ感はあるが、シズちゃんとデートする約束をしたぞ。

どうもこんにちは折原臨也17歳です。シズちゃんと付き合い始めてから3年と1ヶ月、ようやく初デートに持ち込めました。いやいや俺の彼氏ツンデレだから。今まで向こうが言ってくれなかっただけだから。

……っと、妄想はここまでにして、
俺はどうしてもシズちゃんと2人きりでどこかに出かけてみたかった。どこへでも良いから、世間一般で言うデートとかいうものをしてみたかった。
シズちゃんが俺の事嫌いっていうから、素直に首を立てに振るはずがない。そう判断した俺は、水族館に2人の可愛い妹と一緒に行く予定が出来た。恥をかかせたくないから一緒に予習しに行って!、となんともへんてこな理由で熱弁したら、シズちゃんは少し迷った後頷いてくれた。OKして貰えると思ってなかったから正直驚いた。妹効果か。9歳の妹効果なのか。

因みに2人の妹はいるが、今度連れて行くかは定かではない。シズちゃんとデートしたいがためのとっさに出た嘘だ。まあ気が向いたら妹たちにも連れてきてあげようかな、と頭の片隅で思ってるけど。

それよりも今、俺は、俺は!
シズちゃんと休日デートが出来ることに喜びを感じずにはいられないのだ!!

「ありがとうシズちゃん!入場料もお土産代もお昼ご飯代も俺が出すから任せなさい!」

「いやそういうの良いから…」

「えぇーなんでぇ!シズちゃんのケチケチー」

「言葉の使い方違うだろ!!」








次の日。某水族館入り口にて。

俺は約束した時間の10分前に到着した。既に水族館の開店時間は過ぎていて、大勢の人がぞろぞろと入っていくのを遠目で見ていた。
新装したってことだし人多いなあ。シズちゃんはどこにいるんだろう…。目立つ高身長と金髪を探していると、

「臨也、」

後ろから声をかけられたので振り返った。

「!シズちゃ……ん?」

ヤバい…シズちゃん私服バージョン。一言で言うとエロい。きちんと服を着ているのに、春先もまだ涼しく露出部分なんて無いに等しいのに、醸し出されるシズちゃんフェロモンが堪らないハンパない。制服とは違った良さが…!

「どうかしたか?」

小首を傾げるシズちゃん。ああもう本当にこの子なんで可愛んかなあ!かっこいいんかなあ!

「…似合ってるねそれ。かっこいいよ」

「!……」

どうも、と小さく御礼を言われ、照れ隠しの如く俺の前を歩き始めた。

あ、あれ、なんか俺急に恥ずかしくなってきた…。可笑しいな…。






「たくさん人がいるから見れないなあ…ううー見たいいい」

「流石に子供が優先だろ。我慢を覚えろ我慢」

「シズちゃんに言われたくないですー」

そういえば今日は怒らないんだなあとか思いつつ、良くわからない綺麗な魚を鑑賞中。
俺が実際鑑賞したいのは魚共じゃなくてシズちゃんの方なんだけど。

「どうだ見えたか」

「見える見える」

「っどこ見て言ってんだ!」

シズちゃんならバリバリ見えてます!今日も美しいです!

「………あ」

はあ、とため息をついてシズちゃんが辺りを見回した時だった。何かに目を止めたのか、一点集中をするシズちゃん。

「どうかしたの?」

「…いや、別に」

「………可愛いよね、ラッコは」

「ああ……っておい!!」

やっぱり見てたのはラッコだったか…。

「なんつーか、ラッコって貝持って仰向けのイメージだったから」

「見事にうつ伏せで寝てるねぇ。客がいるというのになんて愛想の無いラッコなんだ…腹立たしい」

「そこまで言うなよ」

む、何でシズちゃんラッコに優しいんだよ。可愛い物に弱いっていうアレか。高身長で不良ぶってる彼は実は可愛い物好きというギャップ萌え狙いなのか。くそう…好きだ…。

いつの間にかシズちゃんと俺は水槽の前で手をついて、ラッコの観察をしていた。まあ良く見ると可愛いけど、シズちゃんの可愛さには劣るな。

「寝てるのも珍しいんじゃね?」

「そう考えればそうかー」

シズちゃんのラッコへの食いつきぶり異常でしょ。どうしたの。シズちゃんこそ珍しいよ。

「はは…コイツ寝てるせいで流されてるのに気付いてねぇ…」

「!」

笑った…。シズちゃんが、笑った…!!!

久しぶりに見たというか、2人きりだとほぼ初めて見たに等しいシズちゃんの笑顔。ヤバいかっこ良すぎて心臓が痛い。女の子じゃあないんだからこんなドキドキしなくたっていいのに!
そんな俺の心境にシズちゃんが気付く筈も無く、けらけらと面白そうに笑っていた。
あれ、もしかしてこれって…、
笑ってくれたってことは、シズちゃんも、少しは楽しいって思ってくれたのかな。俺と、2人きりだけど。

だとしたら、嬉しい、な。

…なんでこんな思考が乙女なんだよ…俺。最近本当可笑しい。どうしよう…シズちゃんの所為だ。
だって、だって、
笑ってくれただけで、こんなに嬉しいと思えるだなんて!!

「手前の妹と来る時はコイツ起きてるといいな」

「う、うん…!」

こくこくと振った首の付け根から旋毛まで、まるで燃え上がるかのように顔が熱くなった。





単純で悪いか!!







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喜んでくれて良かったね臨也(…)

高山いこさまリクエストより、青アイ設定シズイザで水族館デートでした!!そういえばこいつら2人っきりという状況が少なかったので、今回は2人っきりにさせてみました。シズちゃんは可愛い物に弱いと思うんだ絶対。何故対象がラッコなのかは、すずみが数ヶ月前水族館に行って、ラッコに死ぬほど萌えてきたからです。ラッコ可愛すぎる。

ここまで書いてから水族館あんまり関係がないことに気付きました← ごめんなさい続きいつか書きます。

リクエストありがとうございました!!