相手:メローネ
お題:『そう言ってほしいんでしょ?』

喧嘩した次の日の朝
二人して酔っぱらって大ゲンカ
昨日の夜追い出したはずのメローネが普通に居座ってる
用意された朝食
食え、とばかりに指さしながら新聞を読む
そういえば「もう口きかない」と言ったようが気がする
それを律儀に守っている
「ごめんって言ってるつもり?」
メローネは視線を寄越さない
むっとして席につく
朝食は驚くほど美味しいのに、作った本人は喧嘩腰の真っ最中なのだからボーノともグラッツェとも言えない
食べ終わったら、すかさずコーヒーまで出てくる
よく見れば洗濯物まで終わっている
怒ってるくせに妙に親切で気持ち悪い
ピンとくる
「メローネ、私に"ありがとう"って言わせようとしてる?」
口先から生まれたような男は口を割らない
いつもはメローネが9割喋っていて自分が聞き役
視線がこっちを向く
ありがとうを仲直り代わりにしたいらしい
「そう言って欲しいんでしょ?」
ニヤニヤ笑ってみせる
メローネは不機嫌そうな顔
仕方ないから言ってあげる、とばかりに溜息ついて口を開く
「メローネ、ありがと……」
う、と言う前にキスされる
「どういたしまして」
やけに嬉しそうな顔
そういえばお前は女のくせに言葉が足りないだとか昨日言われたなと、ソファに押し倒されながら曖昧な記憶を掘り起こす

end

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