「おっ! こんなところで会うのめっちゃ奇遇じゃね!?」
「どうして毎日わたしの行こうとしているところがわかるんですかあ……」
「運命ってやつかな? へへ」
「わたし、これから───」
「本屋! 行くんだろ?」
「……ま、まあ、そうですけ、ど」
「んじゃついでにあそこにあるフランクフルト食べよ〜ぜ!」
「(おいしそうだから食べてみたい……でも……)」
「金はオレが出すよん」
「えっ!?!? そ、それはだめです!」
「ナンデ〜?」
「か、借りができてしまいます! そしたら、わ、わたしガルガリさんの望むこと、なんにもできないので困ります……困るんです……」
「……」
「(顔が近い!!)」
「なまえちゃんはなにもしなくていーよ。オレのそばにいてくれれば、それで十分だから」
「で、でも、いつか見返りを求められそうで……うう……こわいです……」
「ンなビビらないでよ。オレ、何事に於いても平和を愛する男なんだよ?」
「そうなんですか?」
「おう! ほら、買って来たから食べようぜ」
「ん、ぅん……」
「ど? おいしいっショ!」
「ふあっひゃい!」
「………………」
「んん、んぐ」
「……………………」
「けほっ……すみません、なにか飲み物を───」
「駄目。絶対に駄目。食べて?」
「むぐう!? ん、ん! ゃめ、んやっ」
「…………………………」
「ふう……はあ……ようやく食べられた……」
「………………………………」
「ど、どうしたんですか?」
「アッイヤッ」
「も、もしかして、奢ったこと後悔して」
「イヤイヤ! 違う! 誓って違う!」
「よかったあ……」
「(言えねぇ……なまえちゃんがえっちな顔してたとか……勃ちそうになったとか……いや寧ろ既に勃ってる……)」
「……………全部聞こえているのですが」
「!?」
「ガルガリさんのえっち……」
「エッ!? ア、ア、もっと言って?」
「さようなら」
「アッ! なまえちゃあん! 待ってよ〜!」

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