「なまえ? 来てたんだ」
「ヘドくん! そうなの、ブルマさんに用事があって。でも、どこにもいないね」
「外出中なんだ。間もなく帰ってくると思うけど」
「そっかあ。じゃあここで待たせてもらおうかなあ」
「うん。……会えて嬉しい」
「えへへ、かわいいこと言うのね〜」
「……あ、そうだ。なにか食べる? おすすめのクッキーがあるんだけど」
「クッキー? わあ、もらってもいいの?」
「もちろん。1号!」
「……」
「……1号? あれ、いないのか?」
「?」
「それなら2号!」
「はいは〜い。……!?」
「なまえ、コーヒーでいい?」
「うん! ありがとう」
「……」
「……? おい」
「! は、はい! 紅茶ですよね。今すぐに」
「いやコーヒーだよ」
「! あ、ああ、そうだった」
「……はあ」
「……2号くん、調子悪いのかな?」
「……」
「はいよ! お待たせ、なまえちゃん」
「ありがとう」
「……」
「……」
「おい」
「え?」
「いや、え、じゃなくて。なにか言いたいことでもあるのか? 突っ立って」
「……え、……あ、いや……」
「……」
「……」
「あ、もしかして」
「ん?」
「クッキー! 食べたいんでしょう!」
「え」
「え」
「ヘドくんお墨つきのクッキーだよ! おいしくないわけないよね」
「……」
「……」
「はい、どうぞ!」
「……」
「……じ、自分で食べら」
「……いらないの?」
「すごくほしい」
「ふふ、口あけて?」
「!!」
「……どう? おいしいでしょう?」
「う、うう、うぐ……!!!」
「あ、あれっ!? 2号くん!?」
「……あーあ、行っちゃった」
「わ、わたし、なにか悪いことしちゃったのかなあ……」
「気にしなくていいよ」
「え、で、でも」
「作った僕が言うんだ。気にしないで」
「そ、そう?」
「そう」

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