「え、オレの本心? そんなもん知りたいの? 変わってるな。まアいいけど。……あんたのことが好きだよ。その点あいつよりも優ってる自信があるのさ。あんたは元の世界に帰れない。苦しいよな。分かるよ。オレだって協力したいに決まってる。けどそれが無理なのも知ってる。なんでかって?……まさか自覚なし? ふーん……オレさ、あんたのこと好きって言ったけど、厳密には違う。“愛してる”って言った方がいいかもな。愛してる奴をわざわざ手放すニンゲンがいると思うか? 思わないだろ? だからあんたが帰れないこの状況下は、オレにとっちゃ神の思し召しとしか受け取れらんないってわけ。……神が誰か? モーリス・ゴーストに決まってるさ。このゲームの根本。この世界を創り出した当事者。オレからしてみりゃ、たまたまとは云えバグを引き起こしたコードを生み出してくれて感謝の念しかないよ。……話がずれたな。結局何が云いたいかっていうと、あんたはオレと共に生きていくことしかできないし、元の世界に帰らせるつもりも毛頭ない。あれっなんで泣く? あんただって前云ってただろ、オレのことが好きだって。……友だちとして、だった? ハハ、つまらないジョークだな。……バッター……やっぱあいつの方がいい? へえ。なら殺した方が得策ってことか。なんだよ、止めるな。あいつが消えればオレしか居なくなる。簡単な話だろ? そうしたらオレとなまえのふたりだけの世界が構築される! あんたはここでまっててくれさえすればいい。よし、んじゃ行ってくる」

- ナノ -