君に問おう。
今、世界に必要な事は何であるか、と。


「悪も正義が無くなる事」
「して、その心は?」
「両方、度を越せば結局待っている結果は同じだと思う」
「同じ結果?」
「そうとも、『一人殺せば殺人、万人を殺せば英雄』だなんて至る所で言われている言葉でしょ。それと同じさ」


悪は人を惑わせ、剣を振る。
正義は裁く為と剣を翳す。
悪は正義を殺し、正義は悪を殺す。
対象が違うだけでやっている事は互いに同じではないか。


「犯罪が無くなれば警察の居る意味も無くなる。矛盾だらけな世界。だから世界に必要なのはその矛盾を無くす事なのさ」
「で、君はその救世主になる気は無いのかい?」
「ある訳がないだろ、こんな腐った世界を救うだなんて」


ただ望むなら。


「膨れ上がった正義と悪がいつか共倒れになる事を祈るよ」


そして、その瞬間世界は終わる時を示すのだろう。
その瞬間、僕は世界を嗤うだろう。





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