父、輝宗が畠山義継に拉致された。
幼き頃から誰からも、醜いと疎まれた己を見届けてくれた敬愛する父が。
助けなければ。逸る気持ちを抑え、敵陣と会い見える。
しかし、人質とされ、敵陣の盾となる様にされた輝宗。


(父上…!)


悲痛な叫びが心に響く。
だが、その時に輝宗と視線が重なる。
政宗はその瞳から声が聞こえた気がした。


(強き男となれ)


何時でも道を導き続けてくれた父。
その父の瞳は未だ強い光を放っている様にかんじた政宗。
その瞳にはもう迷いなどなかった。


「小十郎、銃を寄越せ」


その声は小さく呟く様に。
だが力強い響きが含まれていた。
その事に気付いた小十郎は短く返答し、政宗に銃を渡す。


(俺は此処より修羅の道を選ぶ)


例え、誰が敵になろうと、障害となろうとも。
父を殺し、それまでも踏み台としていづれ天にも登る龍となろう。
政宗は誓いを胸に掲げ、力強く引金を引く。
そして輝宗の胸を貫き、畠山義継までも火花は貫き通した…。






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