「もう一つの海原」



波の音が聞こえる



それはオレにとって何よりも馴染み深く、ノリの良い音で



潮風を感じながら、その音に耳を傾けることは



オレにとっての楽しみの一つだった



夏でも冬でも、オレは一年中その中に在って



愛用のボードを手に



海へと駆け込んでいく



ボードの上で感じる波の感覚は



凄く心地よくて



オレは毎日のように海辺へと通う



それがオレの日課で、オレのやりたいことで



そして、オレが求めていたものだった



穏やかな潮風がくれる優しさと



激しい波が与えるスリル



これらがオレの全てだった



だけどある時、突然オレの前に現れた奴らは



サッカーなんてものの楽しさをオレに教えていった



それはサーフィンとは違う



だけど、それはサーフィンと似た楽しさとスリルをオレに与えてくれた



何より、お前らとサッカーをすることが楽しいと感じちまった



独りで行うサーフィンとは違う、みんなで戦うということの楽しさを



それからオレは、またお前らとサッカーをしたいと思うようになった



だから、オレはサッカーを始めることにしたんだ



でも、サーフィンをやめるつもりはないんだぜ



海水も潮風もないけれど



今までとは違う場所に居るけれど



強いて言うならば



オレはフィールドという大海原に押し寄せる



波に乗るんだからな




『もう一つの海原』
(だからお前らも一緒に感じようぜ)
(海原(フィールド)を翔る潮風(スリル)をな!)



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綱海の心情。
サーフィンとサッカーへ向ける思いの捏造話。

時間軸的には雷門メンバーに出会う前と、キャラバンへの参加を決め沖縄を離れる時。
綱海の日課は海へ通うことで、波に乗ることが生き甲斐なのではないかと思い出来た捏造心情文。
彼は例え海を離れたとしても、心は常に波の上に在ると思う。
何時、何処へ居ようと、彼はサーファーなのだから。


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