「A drop line of the flower of truth and falsehood 」


誰もオレのことなんか理解してくれない

オレはただ勝ちたいだけなのに

全力でサッカーをやりたいだけなのに

チームの奴らは皆、フィフスセクターとかいう奴らを恐れて、本気でサッカーをやらない

それに対してオレが意見すれば

一年のくせに、とどいつもこいつも口を揃えてそう言って

しまいにはオレを部から追い出す為に嫌がらせまで始まる始末

オレが大人達に訴えても

あいつらは笑顔で嘘を吐く

「そんなことするわけがない」

「狩屋はチームの仲間だから」

そんな偽りの笑顔と虚言に騙されて

大人達はオレが嘘を吐いたと責め立てる

支えてくれるのが先輩じゃないのか

共に競い合うのが友達じゃないのか

同じチームの仲間じゃないのかよ

くだらねぇ

所詮は友達だの仲間だの

そんなのはみんな赤の他人だ

慣れ合うだけ、無駄なだけ…

仲間なんて虚しいだけだ…

***********

そんな部に

仲間とかいう形だけを繕った存在に嫌気がさして

オレは転校する道を選んだ

波風を立てるのが面倒くさくて

思い通りに物事を進める術を知っていたオレは

偽りの笑顔を仮面のように張り付けて

いつしか二つの顔を演じ分けるようになった

こうすれば、オレは自由でいられるんだ

そんな笑顔に騙されて、オレに近寄るバカな奴ら

クラスメイトになったあいつも、部活の先輩も

呆気なくオレの偽りの顔に騙された

オレのことを認め、褒めてくれた

笑顔を向けてくれた

嬉しかった

でも、オレは

そんなものは意味のない形だけのものだと知っている

ほら、やっぱりここにもオレのことを頭ごなしに否定する奴がいやがった

もういい加減、自由にプレーさせてくれよ

荒っぽいプレーだなんて関係ない

それがオレのプレースタイルなんだ

認めてくれたっていいじゃないか

認めてくれないなら、お前をチームから追い出すまでだ

もう、あんな虚しい思いをするのは沢山だ

だから、オレはあんたを潰す

あんたを潰して、あんたのポジションを奪い取る

そうすれば、今度こそオレは

本気のプレーが出来るんだ



『A drop line of the flower of truth and falsehood』


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どうして狩屋が猫を被っているのか、「くだらねぇ」等の発言をするのかなどを考えた結果、考え過ぎてよく分からない文が生まれました。
狩屋マサキに夢を見過ぎている人間がここにいます(笑)
取り敢えず、狩屋が円堂に聞かれて頷いた「サッカーは好きか?」の質問。
あの回答には嘘はないのではないかと感じました。
そして、蘭丸に叱咤されたボールカットのシーンでのガッツポーズと表情、木暮との競り合い…
それらを見ていると、本当にサッカーが好きで、プレーを楽しもうとしているのではないかとさえ感じられます。
ただ、自分の思う通りに行かないことが気に食わないというか、褒めてもらうのは素直に嬉しくて、批判されるのは大嫌いという、はっきりしすぎた性格なのではないかと。
もしかすると、自分のプレーに自信があるとか、そういう驕りがあるのかもしれません。

きっと狩屋を変える大きな役割を果たすのは霧野と天馬なのでしょうね。
これからどのようにチームと馴染んでいくのか、非常に楽しみです。

【A drop line of the flower of truth and falsehood:虚実の花の雫一筋】





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