「When water gets excited over the withering fountain」


「さよなら」

そういった君は静かに去っていく

待ってくれ

行かないでくれ

そう言って必死に止めるオレの手は無残にも空を切る

もう声も出ない

叫び過ぎて、喉は潰れた

もう涙も流れない

泣き過ぎて、涙は枯れた

まだ始まったばかりなのに、物語はもう終焉?

君との出会いは走馬灯

決して交わることのない時間

遠くなる君の後ろ姿

遠退いて行く君の優しさに

オレ達はきっと甘えているだけ

君はオレ達を護る為にオレ達の前から居なくなるんだろう?

みえないけれど、君はオレ達の分まで泣いている

泣けなくなったオレ達の分まで泣いている

一人暗闇で孤独に怯えながら

それでも君は独りで歩き続ける

もっとオレ達を頼ってくれ

オレ達にも一緒に背負わせてくれ

仲間なのに

友達なのに

その距離は一向に縮むことは無く

君はそのまま去っていく

みえなくなる直前に君は少しだけ振り向いて

小さく動く唇に

一瞬の哀しそうな笑顔に

オレ達はただただ涙を流す

枯れ果てた泉は再び沸き上がる

消えていく姿に

最後の言葉が溶けた


『 あ り が と う 』



『When water gets excited over the withering fountain』


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二通りの視点で解釈が出来るという、今までに描いたことのないタイプの文章が出来上がりました。
一つは隼総と喜多君、もう一通りは剣城と天馬。
何故こんな文が生まれたのかは謎です…
取り敢えず、シリアスなのだというのだけは確かですが。
何故かシードっ子が絡むと、どこか哀しみの感情を含んだシーンを持つ話を多く思い付きます。
今度はシードっ子が幸せな文を書いてみたいです。

【When water gets excited over the withering fountain:枯れ果てた泉に水が沸く時】



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