ふわ、








私よりも大きくて、骨張った男の子の手が触れた

というよりは包まれた、というほうが正しいのかもしれない







「これ?」



「あ、その隣の」



「ああ、これ?」



「それです!」









なんだか後ろから抱きしめられてるみたいな気がして顔が熱くなってきた



触れてるのは手だけだったのに、変なの







「ん」


これ俺も持ってる、そう一言付け加えて私が取ろうとしていたCDを差し出した







「あ、ありがとうございます」








どこの高校だろう


手から腕、腕から首元


ゆっくりと顔を上げていく



見たことのない制服、だけど声はどこかで…









ぱちり、目が合った























「…え………へい、すけ…くん…?」









うそ、うそ

信じられない


違ったらどうしよう

だって数百年も前だし、覚えてないかもしれない














「千鶴、久しぶり」









私の不安を他所に彼はあの頃と何ら変わることのない笑顔を見せた











「…っ…ほんとに、平助くん?」






声が、詰まる










「…ひど!俺なんて後ろ姿だけで千鶴ってわかったのに!」



「う、うそ!?」






うそ、にこりと笑って私の頭を撫でた





「千鶴が店入ってきたときに顔確かめた」





「…気付かなかったよ」











あ、もうだめ




じわっと視界が滲んで涙が溢れ出す








カーディガンの袖口で私の涙を拭いながら「泣くなよー」と言った彼の目もまた水分に満ちていた












ああ、やっと





やっと会えたね













ミルキー・トワイライト















20110220〜
拍手ありがとうございました!

コメント等ありましたらこちらからどうぞ(^^)




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -