What is "Halloween"?
毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭りのこと。元々は秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であったが、現代では特にアメリカで民間行事として定着し、祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっている。
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『TarotハロウィンSS』(※女帝役の遊夜様がされていたハロウィン診断を原作者であるちそらが勝手にSS化しました!遊夜様に捧げる)完全(非)公式?オールキャラSS文サイトです。原作・本編とは(多分)関係ございません。オンライン又はソーシャルブックマーク、文章やサイト内の画像などの無断転載、掲示板などへの晒しはご遠慮ください。※作品崩壊・キャラ崩壊してても…ごメーンね★←
素材: Ruffle
参考:『Trick or treat』と言ってみたー
firstplay…?
ボクは、“女帝”名前は多分あるんだろうけど、忘れてる。
突然だけど、ボクはこのゲームの参加者全員に『Trick or treat』とか曰わなきゃいけない訳で…。
は?なんでそんな事しなくちゃならないのかって?
…そんなの、ボク自身が聞きたいんだけど。
さあ、悪戯か。ご褒美か。
(取り敢えず、この企画の立案者は後で締める)
case01:0 愚者 THE FOOL
さて、こんな馬鹿馬鹿しい企画さっさと終わらせて帰る。
帰って、速攻寝てやる。
ボクは、こう見えて暇じゃないんだよ。グタグタしたり、ウダウダしたり、
…まあ、とにかく忙しいんだよ。
んで、最初は…?ああ、愚者のアイツ?
なんかボクが言うのもなんだけど、結構やる気無さそうな顔だよね。
ま、関係ないけど。
あ、居た。
女帝『あー…えと、愚者、君だっけ?』
愚者『あ、女帝さん。でしたっけ…?』
どうしたんです?と小首を傾げる愚者の少年、・・・・ん?
でもなんか背後「ゴゴゴゴゴ」とか暗雲渦巻いてない?
気のせい・・・?
愚者『気のせいですよ、女帝さん。それより、何か僕に用があったんですよね?』
女帝『(!?心を読まれた?このボクが・・・)…うん。えーと、…『Trick or tre(」
(バシュン!!)
・・・・・・・・・。
何か、ボクの頬スレスレで横切っていったんだけど…。
自身の頬に滴る、液体を掬って舐めとるとそれはシュークリームのカスタードの甘ったるい味がした。
『はい、どうぞ』
と穏やかにでも、瞳が全然笑ってない顔で微笑む彼に
本能的に「コイツは敵に回してはいけない」そう感じたボクでした。
とりあえず、謎のハードモード発動してるんですけど彼。
(アレ?作文これ)
case02:I 魔術師 THE MAGICIAN
…大変な目にあった…。
ってか、何だったんだろう。彼、なんか雰囲気違ったけど…?
あんなキャラだっけ?
…なんだか、夢に出てきそうだからもう忘れよう、うん。
女帝『んで、次は…』
魔術師『呼びましたか?』
・・・・呼んでねえよ。
何処から沸いてきたんだ、この男。
魔術師『口が悪いですよ、女帝の君。と言うか、私君に対して何かやりましたか…?』
女帝『いや、何もやってないけど…何となく。ってか、愚者の奴と同じようなことすんなよ。怖いわ、お前ら』
魔術師『!そうですか…、愚者の君は私と同じようなことを…。』
・・・・、え、何、何この人頬染めながら身をくねらせてるの?
正直言ってかなり気持ちわるいんだけど、素直に超気持ちわるいんだけど(大事な事だから、二回言うよ)
女帝『…それじゃ、』
長居は無用だ。
そう感じたボクは、さっと身を翻したとき
がしっと、肩を掴む存在。言うまでもない、奴だ。
魔術師『待ってください、何か私に言うことがあるのでしょう!!さあ、言ってください、さあさあ!!』
女帝『Trick or treatーーーーーー!!!』
ボクの本日最高に唸ったデコピンは、最高に汚い花火を打ち上げた。
てめえには、これがお似合いだ。
(と舌打ちながら、言い放った先の物体が密かに恍惚の表情を浮かべていたのは見なかった振りをしておく。)
case03:II 女教皇 THE HIGH PRIESTESS
ふう、なんだか今日の皆はどこか変だ。
これが、予め記憶を失う前のそれぞれの姿ということなのだろうか…。
だとしたら、二番目に会った奴にはもう二度と関わりたくないものだ。
というか、今度もし見かけたらまた殴ろう。
とサンドバック宣言を心の中で誓っていたボクは前を見ていなかったらしく
(ポスっ)
女教皇『あらあら、危ないわねえ』
女帝『うお、』
ちょうどこっちに向かって来ていた、女教皇の、おばs
女教皇『なんですって…?』
お姉さんにぶつかったのだった。
…ってか、さっきから皆ボクの心中読みすぎなんだけど。
女教皇『貴方、さっきから口に出して言ってるわよ』
そう呆れたように、ボクの方を見やる女教皇のお姉さん
そうか、だからさっきから周りにボクの心の声が筒抜けだったわけだ。
ボクとしたことが…気を付けないと…
女教皇『で?何か私に用かしらん?女帝の坊や?』
女帝『あ、そうそう『Trick or treat』』
多分この人なら、さっきの二人とは違って少しはマシな大人の対応をしてくれるだろう。
そう思いボクは、さっきからまともに言ってなかった趣旨の言葉を言った。
女教皇『仕方ないわね』
そうため息を吐きつつ、予め用意していたお菓子をくれる大人の対応。
(最初、この人が良かったなあ…。そう思いつつ、キャンディの詰め合わせを頬張るボクだった。)
case04:IV 皇帝 THE EMPEROR&XVII 星 THE STAR
女教皇のお姉さんから貰った飴玉を頬張りつつ、ボクは次の対象者の所へ…
って、次って…。はあ、一番メンドくさい奴だよ。出来たら、後回しにしたいんだけど…。恐らく、それも無理なんだろう…。
ボクは、深いため息を吐きながら自身の元居た拠点に足を向けた。
女帝『ただいまー…』
星『お帰りなさいですー、女帝さん♪』
皇帝『ん?お前今さっき出て行ったのではなかったか?』
女帝『…うん。えーと、(なんか説明するのもめんどさいし…)『Trick or treat』』
皇帝・星『『へ…?』』
女帝『そ、なんかゲームの参加者全員にそう言ってこいっていうどこかのバカが考えた馬鹿らしい企画、らしいよ。』
星『あー、ハロウィンですか!もうそんな時期なんですねー♪なんだか、とっても楽しそうです!きゃぴぴーん!!』
皇帝『…しかし、何故お前がそれを他の奴らに言いまわってるんだ?と言うか、一体どいつとどいつに言って』
女帝『別にどうでもいいでしょ。ってか、どうなの??『Trick or treat(悪戯かお菓子か?)』の二択なんだけど?』
星『じょ、女帝さんー。あんまりがっつくと…ほら、太りますようー??』
焦ったように、星がそう言うけどなにそれ意味わかんないんだけど。
ってか、太る程他の奴らからお菓子貰ってないし、唯一貰ったのって女教皇からの飴…
とそこまで考えていたら、片手に持っていた飴袋がいつの間にか消えていて。
皇帝『…ふん、まあまあだな!!』
皇帝(バカ)が根こそぎボリボリと食っていやがったのであった。
意味わかんないんですけど!!
(「何故なら、お前のモノは俺様のモノだからな!!」「はあ!?意味わかんないんだけど!!ってか、飴返せ!!」「…女帝さん、今回は女帝さんにも非はあると思いますよー?」)
case05:V 教皇 THE HIEROPHANT&XI 正義 JUSTICE
全く、意味わかんない。
ってか、結局あの飴全部食べやがったしあのバカキング。
なんか怒ってんの?って聞いても「悟れよ」みたいな目して!!
分かんないっての!!星の方も、小さい子共見るみたいな目で見て曖昧に笑うだけだし。
女帝『…ホント、意味わかんない』
とか、考えてたら自身の前に…
教皇『そこ行く旅のお方』
正義『我らと一つ勝負をしよーではないか』
とかいう如何にも胡散臭い黒いマントを被った怪しい二人組…。
てか、確実に教皇の軽男と正義の少女だろう。
声と背格好から。
教皇『ちょ、なに軽男って!!もしかして、俺の事か!?』
正義『確実にアンタのせいね。…てか、こんなアホくさい事やるの性に合わないのよ。
フツーにやればいいじゃない。ばっかみたい』
教皇『普通に、正義ちゃんも最初真面目にやってたじゃんかー。ま、いいや。
よ!久しぶりか?女帝の少年♪』
そういつもどおりに軽口を叩く、改めて教皇の青年と、正義の少女。
女帝『…ってか、なにそれ。なんでそんな変な格好してたの?』
教皇『え?あー…なんか主催者?さんから言われてなぁ。この変装して、此処で待ってろってさ』
正義『全く、一体何を考えてるのかしら?無駄な時間とらせないで欲しいものだわ』
その件に関しては、同感だ。
女帝『んで?一体ボクを待って何をしようって企んでたの?』
教皇・正義『『スイーツ?スナック?』』
女帝『…は?』
教皇『スイーツがいいか?』
正義『スナックがいいか?さあどっちか選びなさい』
……。
んじゃ、スナックで
(「ってか、なにそれなんか意味あったの?」「知らないわよ!!私に聞かないでよこのとんま!」「なんかのイベントかと思ったろ!!違うんだなーこれが!」…かなりうざいんですけど)
case06:VI 恋人 THE LOVERS&XIV 節制 TEMPERANCE
全くもってさっきの二人組の行動意味が分からないし、ストレスが溜まる一方なんだけど。
なにこれ、ボクに対しての罰ゲーム?嫌がらせなの?そうなの??
若干、積もりに積もった苛々がスパークしそうになっていた時、
恋人『bonjour、女帝さん。今日も最高に愛らしいね』
・・・・嫌な奴に出会った。
いや、ってか、タイミング的に今一番会いたくない。
最高に腹の立つ(無駄に)爽やかな笑みを浮かべコチラに手を振っている優男の姿があった。
女帝『・・・・、よし、来る道間違えt』
恋人『こらこら、そう邪険にしないでくれよ。これでも、最初顔合わせの時から僕は君の事を気にかけていたんだよ?』
女帝『・・・・ボク、男だよ一応。つーか、さりげなく腰に手を回さないでくれない?うざいんだけど』
恋人『・・・そうか、まあ、多少の障害がる方が愛は燃え上がるよね?』
・・・・・は?
この人頭沸いてるんじゃね??顔が女顔なら男でもいいのか
っていうか、一人で燃えていてください
そう言いながら、徐々に距離を詰めてくる恋人(変人)
女帝『ちょ、まじ、離れ』
恋人『僕は、悪戯されるより“する”方が好きでね…。…、ね、いいだろ?』
女帝『っ、巫山戯ん、』
そう言って、目と鼻の距離までその(無駄に)綺麗な顔が近づいてくる。
嫌だ、嫌だ嫌だ!!誰か、助けて…!
こういう時無駄に、ボクの事好きだっていうのに助けろよ、“あのバカ”…!!
と、咄嗟に目をつぶった刹那
節制『何をやっているのですかーーーー!!!』
ハリセンを片手に登場した天使が助けに入ってくれました。
***********
節制『ごめんなさいですわ…。わたくしがもっと早く止めに入っていれば…』
恋人『やーやー、ただのジョークだよ〜。僕、ほらいくら女性しか流石に口説か』
節制『貴方はもっと反省なさいませ!!あ、あと…お菓子ですよね?事情は聞いておりますが、今手持ちが…』
と言って、節制の子が差し出してくれたスルメイカを受け取りながら、
やはり呆然と考えるのは…。
さっき助けを求めた時に思い浮かべた顔。
(「ほら、ご覧なさい!!女帝さんが呆然とされておりますわ!お可哀想に…」「よほど、僕とキスしたかったのかな?君なら大歓迎だよー?」「お黙りなさいまし!!」「(すっごい癪なんだけど)」)
case07:VII 戦車 THE CHAPILOT&VIII 力 STRENGTH
女帝『むかつくむかつくむかつく!!』
何がムカつくって?そんなの、さっきの事が脳内でリピートされてイライラしてるんだよ。
よりにもよって、助けを求めた時に浮かんだ顔が“あのバカ”だなんて、ボクとしたことが一生の不覚だよ。
ってか、別にそこまで気にしないでいいんじゃないかとか考え出してでも出てくるのはあのムカつく自尊心に溢れた顔で、あー!!もう、イライラする兎に角何がそこまでアイツのこと思わなきゃならないのかってぐらい苛々する!
力『あ、女帝さんじゃないっすか。』
そう考えてたら、またもや声をかけられた。
というか、今日は声かけられるの多いな。
厄日なのだろうか、その声の主は力のカードを持つ(一応)自身らの陣営人だった。
女帝『・・・・、ああ、どうも』
言葉尻にどうしても、さっきからの苛立ちが滲んでしまう。
というか、さっきから気になってたんだけど辺りが建物等の瓦礫だらけだ。
どうやら、先ほどまで交戦中だったらしい。
ま、交戦相手なんて限られているのだけど、この男の場合。
力『よっと、なんだか苛々してるっすねー。なんかあったんっすか?』
ま、オレには関係ないっすけど。と瓦礫の山から飛び降り飄々とそう言う力。
・・・自分から聞いてきた癖に、関係ないってどういうことだ。
女帝『そ、君には関係ない。ってことで、さよなr』
と、経験上あまり長居は無用だと感じたボクはそう言いながら身を翻した先に、
戦車『あー!!じょてーちゃんだー!!やっほう★』
・・・・しまった、囲まれた。
よりにもよって、一番最悪な戦闘狂コンピの組み合わせじゃないか。
ボク終わったぞこれ。
生き残れる自信がない。
そう青白くなった顔と吹き出る冷や汗を持ち前のポーカーフェイスで隠していると、
戦車の少女は
戦車『あ!そーだ、そーだ!!じょてーたん、皆になんか言いまわってるんでショ??』
アタシたちにも言ってみそ!!と無邪気に言い放つ彼女に、ボクは思わず口元があからさまに引きつる。
この流れだと、もはや死亡フラグしか感じられない。
しかし、言わないというわけにもいかない。何故なら、その力の青年もにまにまと意味深な笑みを浮かべながらこちらを見ているから!
言い放った瞬間に逃げよう。
もはや、滅びの呪文並に呪われているこの言葉を・・・!
生きろ、ボク!!
女帝『・・・・『Trick or treat!!』』
戦車『はい、ぎゅー!!』
と、何故だか逃げようとした矢先戦車の少女に羽交い締め(違う)
にされたボク。
・・・・どうやら、抱きしめているらしい。
力の加減はしてくれているのか、若干緩く(でも少し痛い)してくれている。
力『・・・・・なにしてるんっすか?』
戦車『お菓子今ないんだよねー!!だから、代わりに★』
そう言って、えへへと笑う彼女に、どこかボクは胸が・・・・
力『・・・・・・面白くねえ』
(バビュン)
・・・・・・・、すると、ボクの横っ面スレスレに甘い香りの・・・・ってなんだかデジャヴュなんですけど。
まじなんなの!?今日
(「死ねーーーー!!ヒャハハハハ」「わーい!!やっぱこうじゃないとね!!」「うあああああ!!ってか、なにそれ今日シュークリーム投げつけられる日なの!?」「ああ、これ愚者の奴に貰った」「(まじ厄日なんですけど、なにボクになにか皆恨みでもあるの!?)」)
case08:IX 隠者 THE HERMIT&X 運命の輪 WHEEL OF FORTUNE
・・・・酷い目にあったパート2・・・。
あれから、反乱狂でシュークリームを投げ出す力とそれに便乗し、
綿菓子放射機(?)のようなものを打ち出す戦車からの攻撃を必死に逃げ惑いながら避け続け漸く撒いたのであった。
もう、こうしちゃいられない。どうやら、皆この馬鹿げた企画のことを知り及んでいるようである。ここは、なにか仕掛けられる前に自身で飛び込まなければ…!
そう意気込んでいると、眼下に見えたのはちょうど愚者達メンバーが拠点としている小屋があった。
果てしなく、かち合いたくない奴が数名いるけどここは仕方ない。
どうせ放棄できないなら、さっさと終わらせて帰るに限る。
女帝『・・・・・こんにちは』
隠者『あ!えーと、確か女帝さん!!こここんにちは!!』
運命の輪『こ、こんにちは…!!』
そう言って、物陰にさっと隠れてこちらの様子を伺う隠者の少女とその少女の影に重なるように隠れる運命の輪の子供・・・・・って、なんでそこまで怯える必要があるのか分からないけど。そして、どうやら幸いにも彼らしか今は小屋にいないらしい。
まあ、その怯えようは性格上仕方のないのかもな。
そう考えなおし、その体勢のままボクはその二人に問いかける。
女帝『細かいことは抜きで、ボクもさっさと終わらせたいし、『Trick or treat』』
そう言うとやはり、隠者の彼女と運命の輪の子供も聞き及んでいたのか「あ」と顔を見合わせてコチラに恐る恐る近づいてきた。
何がどうであれ、この子達ならそんなに害はなさそうだし
大丈夫だとは思うけど早く何かしらのイベントを済ませて次にいきたい、うん。
隠者『し、仕方ないなあ!』
運命の輪『仕方ないなー!』
そうどこかぎこちなく、言いながら二人はボクの両脇に立ち
そして、
隠者・運命の輪『『はい、甘いの』』
隠者の少女はボクの頬に、運命の輪の子供はボクの手の甲に何故だかキスをしたのである。
一体コレどういうイベントなの?
(「ふわああああ!!しちゃいました!!ははは恥ずかしい!!」「・・・・どういうことなの、ってかなんでボクより君が恥ずかしがってるの」「ごめんね、女帝のお姉ちゃん。お菓子なかったから…。恋人のお兄ちゃんがそうしたらキスしてあげたら?って…」「(色々解せぬ…)」)
case09:XII 吊された男 THE HANGED MAN&XVIII 月 THE MOON
何だか、本気で疲れて来た。
何者かが暗躍している気配がプンプンする。
ってか、なんでボクが出会った後の奴らが今から出会う奴らに助言してるんだよ。
これを謀略と呼ばずして何を呼ぶって感じなんだけど。
・・・・本気でバックれたくなってきたなー。
もう帰っていいかな。いいよねー。変に真面目に付き合ってきたけど、本気で「なんでこのボクが」って状況だし、付き合う義理もなかったわそう言えば。
よし、帰ろう。今すぐ帰ろう。
と、そこまで考えてはたっと立ち止まる。
今、帰ったら・・・
女帝『・・・・結局最後までやらなきゃなんないフラグだな、これ・・・』
今日幾度目かのため息を吐きながら、ボクは次の対象者の元へと重い足を向けたのだった。
***********
女帝『んで、ナニコレ』
吊るされた男『うっしゃー!!今日は無礼講やでー!飲みや飲みや〜!!』
月『ふふふ、吊る氏は飲みすぎですよ〜』
今の状況、説明ぷりーず。
のんだくれのおっさん二人に挟まれ、お猪口を持たされ
絡まれてる可憐な美少年ボク。
・・・・半分冗談だよ。
にしても、なんで真昼間からこのバカ達酒飲んでるの?
ダメ人間なの?死ぬの??
吊るされた男『誰がダメ人間じゃーーー!!ワシはな!!ワシわな!!これでも、やったら出来る子やねんぞ!それを周りの奴らは〜 !!』
とか言いながら何故か号泣するいい年したおっさんそのいち
月『クスクス、全く吊る氏ったら冗談がお上手なんですから〜。冗談はその髭面だけにしてくださいよう!!本当に可笑しいんですから〜』
とか言ってクスクスひたすら笑うおっさんそのに…ってか、結構言ってること酷いな。
そんな酒臭い男たち二人に挟まれ、若干その酒乱加減と独特の臭いに気分が悪くなり
より一層眉間に皺を寄せていると、その様子を見たおっさんそのいちこと、吊るされた男はますます泣き喚くように声を荒げる。
吊るされた男『なんやなんや!!湿気た面しよってからに!!ワシの勧めた酒が飲めんってか!!美少年やからって、調子乗ってるんちゃうぞわれぃ!!』
世の中不公平やー!とか言いながら、喚くバカを手元に有る酒瓶で殴りたい所存ですまる
ってか、ボク未成年だし飲めないし美少年関係ないし。
そんな吊るされた男を、なだめるようにおっさんそのに、月のカードのおっさんは
ポンポンと肩を叩きながら
月『死なば骨もろとも、ですよふふふふ』
いや、何言ってんの。
フォローしようとしてんの?なんかもう酔うとダメな人らがさらにダメに磨きが掛かってどうしようもないな。
・・・この状況で、悪戯か。とかなんとか言ってる場合じゃないな。
帰ろう。もうそっと男二人で寂しい酒盛り続けてたら良いよ。
そう思って腰を上げた矢先、
吊るされた男『待ていいい!!なんかワシらに言うことあるんとちゃうんかい!!』
と、ぐわしと片手を掴まれ息を荒げる吊るされた男
うわー・・・やっぱここでもかよ。
ボクが来ること知ってるんだったら酒盛りするなよ。
まじいい加減だなおい。
月『うふふふ、ここは腹をくくった方がいいのではないでしょうか。ほら、旅は道連れって…』
こんなとこで、腹括りたくないんだよ、
なんですんなり通してくれないんだよ。もはや、罰ゲーム通り越して拷問だからこれ。
女帝『・・・・『Trick or treat』』
若干、やる気が最低レベルの唸るような声だったのは気にしないで欲しい。
今までこの言葉を言って無事でなかった事の方が少ないのだから仕方がないのである。
すると、
吊るされた男『い、如何なる悪戯も受けて立つで!!』
とか言いながら、両手を顔の下で組んで目を閉じてぷるぷるしてるんですけど…。
え、なに真面目にこの人なにしてるの。
ボクオジサン萌えなんかしないから、そんなポーズしても全然萌えないよ?
気持ち悪いだけだよ?さっきの隠者の子とかだったらわかるけど、ただブチたいだけだよそれ。
とりあえず、スルーしときます。
(「…んで、あんたはなんかくれんの?」「うふふ、かわいいなあ。はい、チ○ル」「…あんだけ付き合わせてチ○ルチョコ一個とか…。」「男、吊るされた男!!人生に一片の悔いあり!!」「…あんたの人生1回やり直した方がいいと思う」)
case10:XIII 死神 DEATH&XIX 太陽 THE SUN
気疲れした…。
飲んだくれるオッサンは思いのほか、白けるという無駄なデータを得たボクだった。
さっきの酒臭い臭いと、気疲れで頭がガンガン揺れる。
雰囲気に酔ったという感じだ。本当にダメ人間共の相手するのかなり疲れた。
早速、ふかふかのベッドに沈み込みたい。
とか考えながら、後こんな感じのグダグダした絡みを後何人続けなくてはならないのか
と、指折り考える。えーと、残ってるのは・・・
死神、太陽、塔、審判、あと世界の奴らか・・・。
意外と半分以上済んでいたのだった。まあ、その分かなり体力的にも精神的にも大打撃を食らってるんですけどね!!
女帝『・・・無難に、死神とかか・・・』
一番、すんなりこなせそうだし。
ってか、太陽の奴って今どこにいるの?神出鬼没すぎて、会える自信ないんだけど。
とか思ってたら、ついているのかいないのか。
なんと今考えてた、ツーペア。
死神と太陽の二人組が、路地の背にもたれかかって話をしている姿が見えた。
あの二人組、なんか共通点あったっけ?あのツーショットって珍しいな。
とか思い、そろそろと近づくと、
死神『じゃから、お前の考えは浅はかだと言っている!!お前のそういう考えが昔から儂は、』
太陽『五月蝿いですよ〜。・・・ボクも、アンタのそういう堅物なとこ昔っから気に入らないんだけど。つーか、“旧世代”の残りカスの癖にボクに命令しないでくれる?』
マジウケるんですけど。
とか、言い合う二人組に思わず物陰に隠れるボク。
・・・・これ、ボク間に入っちゃいけない感じじゃない?
ってか、これ本編でも明かされない裏話的な雰囲気じゃない??ちょっと、明かされなかったやつを申し訳ない程度に流す作者のご都合的な…ファンサービスだよ★みたいな…
っとこれは流石にメタ発言過ぎるか…。
閑話休題
これは、流石にボクが入る隙間も微塵もないっていうか。
入っちゃダメな領域ということで、くるりと身体を反転させる。
太陽『あれ〜?女帝さんじゃないですか〜??』
死神『なんじゃと…?』
・・・・なんで、無事にスルースキルが発動しないんですかね。
なんで、「逃げる」が故障なうなの。なんで、対面フラグしか立たないのこれ…。
女帝『・・・どーも、っす・・・』
こそこそと、致し方なく隠れていた物陰からそろりと姿を現す。
太陽は、真意の測りかねる笑顔で死神は、不審そうに訝しげで少しバツの悪そうな顔をしている。これは、さっきの話聞いていませんよー。今通りかかりましたよ的なスタイルを貫かねばならない。
明らかにさっきの会話は第三者に、聞かれたくない内容だろう。うん、ボク頑張れ。
女帝『いやはや、さっき通りかかってね。なんだか、言い合う声が聞こえたから。何言ってるか全然わからなかったけど、全然わからなかったけど』
・・・・・・・。
全然を使いすぎて、もはや「全然怪しいですよう」という誤り文法よろしくの怪しさ満点の言い訳になってしまったが、
二人共若干腑に落ちなさそうだったが、なんとか「ふーん」という風に飲み下してくれた。
グッジョブボク。しかし、やはり今までの経験でこのままさようならという訳にはいかないと思う。うん、絶対そうだ。「なにか言うことを」とかなんたら言われるんだろうなと思いボクは、思ったが先に切り出してみた。
女帝『・・・・・、で、やっぱなんか言わないと此処通れない感じだよね?』
太陽『なんですか〜?ソレ〜??』
死神『合言葉かなんかか??』
知らなかったーーーー!!!
なんだろ、別にボクが悪いわけじゃないのに。
自意識過剰になった自身に、激しく罵りたくなるこの赤っ恥!!
いや、いいんだよ?!当然の反応だよね。ってか、普通知らないから。
『Trick or treat』で予め仕掛ける方が悪いから。おかしいから。
お菓子だけに!!
とか、無駄に構えていた自身が恥ずかしくって。しゃがみこんでいると。
死神と太陽がそんなボクを軽く心配しながら、
太陽『大丈夫ですか〜?ガムですけどいります?』
死神『・・・・儂は、これを』
せめて、統一してもらえませんかね。
(「・・・・酢昆布?」「まじ年寄り思考〜。なんでよりにもよって酢昆布?ジジイなんです〜?」「愚かモノめ!!酢昆布は体に良いのじゃぞ!!」)
case11:XVI 塔 THE TOWER
本当にこの企画、どこまでの人間に浸透してんの?
なんか、無駄に気を張ってるボク自身がバカみたいだよ?
あと、酢昆布って結構美味しい。
もぐもぐ無心に酢昆布を咀嚼していく、ボク。
そうこうしている内に、次の目的地。
塔の青年がいるとある洞窟に来た。
・・・休戦は申し込んでるけど、あんまりすすんでこの場所に来たくないなとか思ってしまうのはひとえに彼自身の能力のせいだ。
彼の能力、【爆破】で目の前に入った対象物は見境なく爆破させ消し去ってしまう。
ゆえに、彼は単独行動を好みこの洞窟で一人生活しているのだけど・・・。
塔『・・・・ぐーぐー・・・・』
寝とるがな!!
待って、唯一まともな雰囲気に属する彼までこの企画にかかればこんな気の抜けたキャラになっちゃうの!?恐ろしい企画だよ全く!!
そう、折角なにか長いボクと塔の攻防戦が始まる気配のした前置きをなし崩しにぶっ壊すように、洞窟のちょうど前で塔の青年はあぐらをかき座りながらにして目を瞑って寝ていた。
いや、確か貴方この洞窟を見張ってるんですよね。
真昼間から気を抜いて、グースか寝てていいんですか。
諸々言いたいことはあるけど、洞窟の前にいたということは少なくとも
企画の概要を聞いたうえでボクを待ちかねていた、という感じだろうか。
んで、待ちぼうけしすぎて寝ちゃったと・・・・いや、しっかりしろよ塔さん
暫く、寝ている(?)塔をじーっと観察してみたがどうやら本気でマジ寝しているらしい。
よく見れば、目の下に隈ができているように見える。
日々は、やはり寝ずの番をしているようだ。
ま、自身には全く分かりかねない責任感だが、ご苦労様とでも言うべきなのだろうか。
塔『っ、・・・・、、行かないで、くれ・・・』
夢を見ているらしい、塔の彼の伸ばす片手には触れずに
静かにポンポンとその頭を撫でる。
年下のボクが、やるのもなんだけど。
そして、その誰かの代わりにはなれないけど。
(「・・・・ん?・・・・今誰かいたか?」「悪戯は今回はなしでいいよ」「(久々によい目覚めだ・・・・)」)
case12:XX 審判 THE JUDGEMENT
なんだか、シリアスな雰囲気になったね。
うん、「塔さんのコメディ風味を期待してた方すみません」とかなんか聞こえるけど
適当に流してくれたら助かる。
さて、次は審判のところか・・・。
ここに来て、あんまり気負いしたくないんだけど。
出来たら、大人の対応をして欲しいものだ。
今まで会った大人と呼ばれるボクからしたら年上に当たる奴らは、ほとんどダメダメだったけど。
そんなに過度に期待もしないほうがいいだろう。
そう思いながら、ボクは審判の居住としている拠点に着いた。
っと、その扉をノックしようとした時にドアノブにぶら下がっているプラカードに
目がいった。
審判『生憎、私は忙しい。ガキの遊びに付き合ってやる暇はない。
それでなんか買って食べろ』
と、100円の入った封筒が挟んであった。
ここにきて扱いかなり雑だなあ。
(あと、この100円此処じゃ使えないと思うんだけど・・・)
case13:XXI 世界 THE WORLD
手のひらで、審判から貰った100円玉を転がしながらボクは気の抜けた風にゆるゆると歩く。
審判ももっと気の利いたモノ、渡さないかなあ・・・。
最後の最後に、転がされた感じ。この100円玉みたいに
とかカッコいいのか悪いのかそういう言葉を思い浮かべながら、
ボクは帰り道を歩く。
帰り道・・・?
そういえば、あと一人まだ残ってたような・・・。
足を止めようとしたその時、ボクはすれ違う。
「あの」少女とすれ違う。
そして、彼女は振り返ってボクの方を見て
『 』
**********
ハッと、するように目を覚ました。
ぎしりと起き上がると、ぎしりと自身のベッドの軋む音がする。
女帝『・・・・あれ?』
ボクは、一体何をしていたんだっけ。
なんでベッドに寝ているんだったけ。
確か、ボクはある『企画』で、皆に・・・
『皆』?皆って誰だ・・・?
混濁する意識の中、そのボクの横で『アイツ』が寝返りを打つ動作を感じた。
カーテンから漏れ出る光から朝焼けが近いことを知る。
ふと、なんだか今まで考えてた事がバカバカしくなり
ふっと、頬を緩め押しのけていた布団を自身と彼に掛けてやる。
まだまだ、夜明けには早いようだ。
『甘い夢を貴方に、』
『世界?一体どこに行っていたの?』
『・・・・・ある道すがら、落としてきた角砂糖を拾いにいったのよ』
Happy Halloween??