初見

「ええと、はじめまして、坂田ソラです。これからよろしくお願いします。」
「…有里湊。こちらこそよろしく。」
「有里くんね、覚えた。早速教えてほしいんですけど、此処って購買ってあります?」
「正面玄関入って直ぐだけど、来た時に見てない?」
「なんかいろいろありすぎてキョロキョロしてたから殆ど覚えてないや。じゃあ次の放課でちょっと探してみようかな。」
「…正面玄関への行き方は分かる?」
「え、わからない。どうしよう。」
「…よかったら、案内するけど。」
「ほんとー?助かります有里様!めっちゃいい人!良い隣人に出会えて幸せだよ私!」
「(…わ、あ。手、握られちゃった。どうしよう、照れる。)…僕も転校生だったから、ね。」
「そうなんだ。この孤独感をわかってもらえたってことなんだ。ありがたいなあ。」
「いや、孤独感は無いけど。坂田さんは寂しいの?」
「無いんだ、クールガイだね有里くん。わたしはちょっと寂しかったかな。」
「寂しかった?過去形?」
「うん。今はもう、有里くんがいるから寂しくないよ。」
「!」

その笑顔、所謂反則ってやつだよ、坂田さん。



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