「今度こそ、君を助ける。」

そう言われたとき、僕は酷く驚いた。まさか自分と同じように終わりのないこの物語を紡ぎ続けている人間がいるとは思わなかったから。それに、自覚があるだけではなく、既に何度も巡ってきている様な物言い…ああ、僕は本当にこの運命から逃れられないらしい。彼女の言葉を聞いて、喜びよりも絶望を感じたなんてとても言えないのだけれど。

「その作戦、上手く行くの?」
「さあ、どうだろう。やってみないとわからないや。」

ソラ曰く”すっごい作戦”が今日決行される。それは僕が殆ど死んでしまう決戦の日。彼女自身も死と隣り合わせの状況に在るにも関わらず、飄々と曖昧な言葉を並べて首を傾げるだけのソラに、朧気な期待を寄せて僕は笑った。

「もし上手く行って、僕が生きていられたとしたら、ソラはずっと僕の傍にいてくれる?」
「うん。もし、上手くいったらね。」

今思えば、ソラらしくない消極的な返事だった。
その作戦が成功するということは、僕の命と引き換えに君が死んでしまうということ。そんな事を知らなかったあの時の僕は、ただただ君と二人きりの時間に心をあたためていたんだ。



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