▼ 6-1
学校をサボった。
高熱、なんて仮病を使うのは最初で最後かもしれない。
ゴミ箱に突っ込まれていた制服をクリーニングに出す時間が惜しかった訳でも、クラスメイトの嘲笑を浴びることにも、興味なんて無かった。
学校には行きたくない、かといって家にも帰りたくない
矛盾する気持ちを持て余した午後、ケータイを弄りながらフラフラと歩いていた。
パパたちにメールをした。帰ってこないことなんてわかってたけど。
昼間はお仕事。そうじゃなくても、パパたちには本当の家族がいる。
(わたしにもいるよ、大好きなお母さんが)
(愛してはくれないけど)
闇雲に歩いても行き着いた場所は家。
仕方ないよ、ここが帰る場所なんだから。
重い気持ちで玄関の扉を開けようとした瞬間、
「キャリー!」
彼の声を聞いた。
今一番、会いたくない人
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