指きりげんまん
ガシャン、と何かの壊れる音。
ガタガタと何かが軋む音。
そして、彼女の叫び声。
「ーーー嫌っ…誰かーー」
「誰も来ないよ」
司令室から離れた、かつて休憩所だった場所。
鍵さえかけてしまえば、誰も立ち寄ることのない忘れられた空間に、ただ二人。
「ひッーーぁ!!やめ…」
彼女の纏っていた布を引き裂くと、驚愕と恐怖で硬直した身体から鋭い悲鳴が上がった。
どうして自分がこんな目に合っているのか、自分を組み敷いている男は誰なのか、彼女は知らないだろう。ーー知る筈も無い。"この姿"が"エンヴィー"であると、気付く訳がないのだから。
「……いや、ぁ…」
「どうした?抵抗しないのか?」
破れた服の隙間から覗く柔らかな膨らみを辿ると、彼女は硬直したまま、ただ小さく声をあげた。おそらくは恐怖による緊張だろう。
「……それでも、感じてはいるんだな」
「ッ……ぁ、う…!」
胸の突起をかりかりと弾くと、少しずつ息があがり、頬を紅く染めた。
涙に顔を歪ませる彼女を見下ろすと、怒りよりも加虐心が掻き立てられるのだった。
「誰にされても、そんな顔するんだね」
「はっぁ……、何、を……」
「フィル」
「!!」
名前を呼ぶと、彼女は困惑した表情を浮かべた。
当然だろう。彼女のことを"名前"で呼ぶのは、このエンヴィーだけなのだから。
「……ゃ……何で…」
「理解できないなら黙って感じてなよ」
正体不明の男に身体を触られる屈辱、困惑、恐怖…それこそが彼女に相応しい罰だ。
普段の少年の姿ではなく、軍人の姿と声を模して。
勃起して硬くなった突起を摘まんでグリグリと刺激すると、彼女の身体がピクリと跳ねた。
「ぁあッ!ぁぅ…イヤぁ…!」
「気持ちいいんだろ?」
「違っーーやめ、ぁアあ!!!」
指先で引っ掻きながら舌で舐める。硬くなった突起を舌で弄び、徐々に反応が大きくなっていく様を堪能する。
柔らかな乳房を下から揉み、ねっとりと舌を這わすと、彼女は小さく震え、そして涙を流した。
「お願い……もう、やめて……ください…」
「……っはは、相手が誰でも感じるんだ…」
フィルの口を口で塞ぐ。舌を入れると頭を逸らし抵抗しようとするが、髪を掴んで引っ張ると動かなくなった。彼女の口の中は冷たい。
「ふ……っはぁ、やだ、助けて…ッ!」
「誰も来ないって言ってるだろ」
「もう嫌ぁ…!!誰かッ………」
「黙ってろ」
恐怖か快楽か。抵抗を忘れた両腕を纏めて頭上で縛ると、フィルは絶望した表情で助けを求めた。
下腹部に舌を這わせ、足の付け根をこする様に撫でる。捲れ上がったスカートの裾から見える白いショーツが少し湿っていた。
「ひっ……ゃ…ぁあ…」
「ほら、濡れてる…気持ちいいんだ」
「違うっ…ぁ、たし……!」
「…認めなよ。誰にされても感じる淫乱女だって」
「ちがーー!!」
ショーツの隙間から、指を膣口に侵入させた。
ゆっくり、ではなく、突然に。
ぐちゃ、と音が鳴り、同時にフィルの身体が跳ねた。
「っはぁア!!やっ…嫌ぁああ!!」
「気持ちいい?」
指を曲げて肉壁を勢い良くこすると、小刻みに痙攣しだす。絶頂が近いのだろう。
抜き差しを早めて、反対の手で小ぶりな陰核を引っ掻く。皮の上から、強く、強く。
「ひぁ!!やめっあぅう…ッああああ!!」
息遣いは次第に荒くなっていく。頬は軽く染まっており口の端からは一筋涎が垂れてしまっていた。秘所は愛液で溢れて、どこを触ってもぬるぬると湿り滑りが良い。
その為、指を軽く秘処に食い込ませ陰核の皮を剥こうとするが、なかなか上手くいかないのだ。
「っっ!!! あ、はっ!!」
一際大きく痙攣したかと思うと、フィルは突然、声にならない悲鳴をあげて一瞬硬直した。刺激が強過ぎたのだろうか。彼女は指先の愛撫でいとも簡単に絶頂を迎えてしまった。
虚ろな目は涙を溢し、しかし快楽に震えながら小さく喘ぐ。
「イッたね…気分はどう?」
「……っは、ぁぅ……も、いや……」
唾液だか涙だかでぬらぬら光るフィルの頬に触れる。冷たい。反して、紅い。
かたかたと震える唇は、助けを求めて微かに喘いだ。
「やめて……助けて……お願……誰か……」
「……馬鹿じゃないの?」
「や……いやだ………」
「誰彼構わず愛想振り撒いて。挙句触られて喘いで…」
「!!ちが、違うっ…!」
「……ウソツキ」
フィルを押さえ付ける体制のまま、変身する。長い黒髪、赤黒い瞳の、少年の姿に。
「………何、で……」
「やっと気付いた?」
目を見開いて、驚愕の表情を浮かべるフィルを見下ろす。
長い黒髪が彼女の首を、胸を撫でた。
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