2014クリスマス企画 | ナノ

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街を歩けばド派手なイルミネーションに目が眩み、賑やかな音楽が耳障りなこの季節。
"お嬢様学校"と呼ばれるこの学園にも俗世の波は毎年押し寄せ、可愛い女の子たちがそわそわしだす。
終業式と同時にクリスマスイヴ。彼女たちにとっては素晴らしい記念日なのだろう。

「……エンヴィー、せんせ?」

ああ、来たか。
振り向くと清楚で大人しい処女が、上目にこちらを見つめている。

「あの……これ、メリークリスマス」

そう言って手渡されたのは、可愛くラッピングされたプレゼント。
今日で約10個目…か?

「あら、今年もすごいわね」

カツカツとヒールを踏む音が廊下に響く。
教師のクセにやたらと露出の高いワンピースを着たラストが、こちらを見てニヤリと笑った。

「ラストだって、毎年すごいでしょ」

「まぁね。それより、女の子からそんなにプレゼント貰っちゃって……あんたの女王様が機嫌を悪くするんじゃない?」

「別に……」

「あら、エンヴィー先生に、ラスト先生?」

噂をすれば何とやら。鈴の鳴る様な綺麗な声に、振り向くこともせず。

「ごきげんよう、メリー」

「ごきげんようラスト先生。…今日も一段と麗しいですわね」

「まぁお上手ね」

クスクスと笑うラストは彼女の本性を知ってか知らずか。
頭の後ろに感じる冷ややかな視線に、冷や汗が伝った。

「…それよりエンヴィー先生、レポートの添削、まだですか?」

「え、…ああ、えっと…」

レポートの添削?全く覚えが無いのだけど。
取り敢えず彼女に合わせておかないと、後が怖いから。

「確か、先生の部屋で見てもらえるんでしょう?」

「………あぁ、そうだね」

ニヤニヤと笑うラストを横目に、メリーと二人、廊下を歩く。
これから起こるであろう恐怖にため息を尽きながら。


「……あぁ、ラスト先生」


メリーが突然、振り向いて大声をあげた。



「メリークリスマス!」





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