黄金時代は5光年先に
あなたのアリスになりたかった
拝啓、サナトリウムより
訳もわからずしがみついたその背中だけが私の世界だったのに
ひとつ、患った
ゴルタゴに咲くアネモネ
ひとりきりのミラージュシティにて
痛烈に愛せ
裏切りとアーモンドの香りが芳しい夕暮れ
向日葵はこっそり泣いてたの
丸まったつま先に欲情
煽らせたきみが悪い
個包装の恋情
枯れてしにそうなのです
きれいなおめめをくりぬいて
一番効果的な毒の垂れ流し方
水中ぶらんこ
もしも君がいま僕の隣にいるのなら返事をしないでね
水底の楽園
めしませ、あかいくちびる
愚か者のゆめうつつ
目なんてどこかに落としてきてしまった
瓶詰めの憎しみひとつ
霧に再び潤む乾いた朱
薔薇の烙印と花売り
凍結烙印を剥ぎ取って
弾丸キャンデイ
曖昧スプラッタ
陶酔マーブル
溺愛ビビッド
嘘吐きフェミニスト
毒牙で甘噛み
私の中で脈打つ君へ
少し浅く見えた浴槽の底
閉じた目蓋の裏で嗤う月
チタニウムの羨望
断頭台に登った烏の名演説
もしも君が甘い言葉を囁くのなら
どうかそっと首を締めて、絆されて
波束の収束と目隠し
黒ばらの砂糖漬けをお一ついかが
雨に艶やかな或る淫行
目隠しをされた私には、あなたを探して這いずり回るほかない
やさしいあなたを望むのはいけないこと
鼻の奥がつんとして殺意
もしも夢で飢えが凌げたなら、君と共に
どうぞ喜劇と呼んで
駒鳥の火葬
脚は置き去り
声帯は標本にされた
実はまだ生きてたみたい
麻痺した舌に嫌悪と恍惚は宿る
お菓子の牢獄でティーパーティ
まさに集る蟻のよう
甘いね、殺す気?
焼き菓子の中に真鍮
いかれた舌を咬みちぎってよ
慢心と盲目
骨の塔と玉座
犠牲者は従順であった
頭蓋骨が土台では不安定でしょうに
説教じみたそれは黙して語らず
ひとりぼっちのごっこ遊び