がらくたのお城でおやすみ
浅き悔恨
手の内に閉じ込められた博愛主義者
濁流に委ねた思慕
どうかお気に召すまま
二重露光の間を手探り
私に見つからないように見つけて

壊死した視線
それは羨望でも憎悪でもなく
それがただ無味無臭の事実
色気のひとつやふたつ、欲しいと思うの
虚ろなその目のなんと力強いことか
エスケープシンドローム、銀河を抜けて
宇宙の果てまで攫いに来て
スキップ、高層ビルの屋上にて
一口大の世界が欲しい

いつまで眠ればいいのか
一番きれいな愛し方
シルフィウムの種をばら撒いて
真空管の中の歌姫
目隠しの手はあまりに優しく
蜉蝣の背に向日葵
ソルフェージュ煩雑
私の翅を毟り取ってくれませんか
黒い日傘と陽炎に眩暈
アルビノの心臓が泣いた

鎖や檻では役不足
かみさまなんかよりも上手に愛してみせる
蛹は未だ此処に
私を求めて彷徨う指がいとおしい
屈折と倒錯
ゆるやかなおわりだけを乞うた
魚は濁った目で終末を夢見る
カフェイン中毒者にくちづけ
あなたによく似たお花をください
言い訳の飽和水溶液
沈められたクロノメーター
オリフィス1/6

それが愛でも欲でも不変に御座います故
カップ一杯の赤に溺れるだけの情事
死ぬまで待ってる、死んでも待ってる
シャーレの中の夢
どうかわたしの骨を抱いて下さい
ヴァニタス崇拝
えら呼吸希望
ばいばい、また昨日ね
天使の孵化を待つ
イヴの赤い靴

エメラルドと排水溝
君の目を食べてしまいたいような
有限の死に微睡む
浴槽の淵のナルキッソス
さかなみたいに、ばかみたいに喘いで酸素を求めた
それでも私とあなたの心臓は一つではなかったのです
偶像崇拝推奨
地獄と楽園は共に瓶の中
神々の黄昏は足元に
山羊のいけにえ

手懐けられたテュポンさながらに
あさいゆめをおよぐ気球
革手袋からぬくもりは感じられるか

何も言えずにただ私は、曖昧な色のミルクティを見つめていた

金の環と鋏、リボンがこの世のすべてだって説いたのは誰だったかしら




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