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「ルフィはなんで溺れてたの?」
「みんなにないしょで泳ぐ練習してたんだ。」
ああ。誰にも言わないで来たからあんなところで一人溺れていたのか。
「そっか。秘密訓練だね。」
「おう、秘密くんれんだ!」
にしし、とお決まりの笑顔で笑うルフィとほのぼのしていると、どこからかざわめきのようなものが聞こえてきて、不思議に思い辺りを見渡せば、いち早くルフィが嬉しそうな声をあげる。
「あっ!シャンクス達が帰ってきた!」
「シャンクス?」
てあの赤髪の?ということはやはりここはフーシャ村で、目の前にいるルフィは6、7歳頃か。
「うん!シャンクスは赤髪海賊団の船長でかっこいいんだ!」
「そうなんだ。すごい人なんだね。」
まるで自分の事のように誇らし気に話すルフィが微笑ましくて、思わず頭を撫でてしまったのはいけなかった。
「…………っ!」
きっと子供扱いされたと怒ってしまったのだろう、顔を赤くして俯いてしまったルフィの機嫌を戻すために、とりあえず謝ってみることにした。
「あ、あの、ルフィ?ごめ「そうだ!ナマエにもシャンクス達しょうかいしてやるよ!」
「え?ちょっとルフィ?」
ルフィの突拍子も無い発言に邪魔をされたかと思えば彼に腕を掴まれ、引きずられるように走り回らされ海岸を後にすることになった。