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忍術学園に入学して四回目の春がやってきた。もう慣れたものだが、同室の男とは相変わらず会話もなければ、ろくに目を合わす事もない。まあ、私の方から避け始めたんだから当然といえば当然なのだが。

成長する毎に美しくなってゆく同室の寝顔をちらりと見て溜息をはく。


(女の私より可愛い顔してる)


そう、私は男として忍術学園に入学し、四年生の未だに女だという事を隠して生活していた。







その日、私はいつも通り忍たま達が浴場からいなくなるまでの間の復習と予習をしていた。女だとばれないために、入浴はいつも夜遅くや早朝に済ませているからだ。そうして同室が入浴から帰って来て、暫く経ってから浴場へ向かう。これがいつものパターン。

そして今日も戻ってきた同室を一瞥して、そろそろ準備をしておくかと腰を上げる。だが彼に視線を向けた瞬間視界に入ったものに、目を見開いた。


「田村!!」

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