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何処の学校に行くのかは教えてもらえなかった。口外しないという決まりがあるらしい。そんな学校に覚えがあるような気もしたが、今はそこまで考えられない。何で今更学校になんか、と聞けば両親の強い言いつけで、断ることはできないようだった。


「なんでおじさん達は名前姉を学校に行かせたがってるの?」


何か聞いているかもしれないと自分の親に聞いてみれば、一度視線を落として溜息をはかれた。


「名前ちゃんには言うなって言われていたんだけど、」


やっぱりお前には言っておいたほうがいいだろうね、と続ける声を聞き漏らすまいと、全神経を集中させた。


「お前が帰ってくるちょっと前にね、名前ちゃん暴漢に襲われたんだよ。」

「え、」


なんだ、何を言っているんだ。頭の中が真っ白になって理解できない。


「幸い、通り掛かった人に助けてもらったから無事だったんだけどね。」


その言葉にやっと脳が働き出して、安堵の息をはいた。だがその暴漢がしつこい奴らしく、いまだに名前姉の事を狙っていて、ちょくちょく姿を現しているらしい。懲りない奴だ。


「今日までは隠れたりして何とか凌いできたけど、ずっとそうしているわけにもいかないだろう?向こうも諦める気配がないし、それで名前ちゃんの両親が全寮制の学校に入れることにしたんだよ。それなら学校が守ってくれるし、安全だからね。」


たしかに、名前姉は綺麗だから、暴漢に目をつけられるのもわかる。おじさん達が仕事もせずにつきっきりってわけにはいかないし、俺も学園に戻らないといけない。それ以前に、いくら忍たまとはいえ、まだ12歳の俺が屈強な大人の男を蹴散らせるか、甚だ疑問だが。どちらにしろ、名前姉の安全を考えれば、全寮制の学校に送り出す他ないのは明白だった。

俺が子供じゃなければ、もっと力があれば、名前姉を助けられたのに。早く一人前の忍者になって名前姉を護りたい。

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