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3


いつものように名前姉も家にあがってもらい、お茶を啜りながら離れていた間の事や近況報告などをしあう。学園から帰ってきた俺が荷物を置いて真っ先にやる、もう恒例となったことだ。


「藤内が元気そうでよかった。離れているからいつも心配してるんだよ。」

「ん、ありがとう…」


せっかく名前姉が話し掛けてくれているのに、やっぱり胸の辺りは苦しいままで、昔のようには喋れない。ああ何をやっているんだ俺は。会話が続かないじゃないか。

よく解らない恥ずかしさや緊張が混ざった複雑な感情のせいで、出てくる言葉は素っ気ないものばかりだ。それでも優しい名前姉は、笑顔を絶やさずに何度も話し掛けてくれる。ごめん、名前姉。名前姉のことが嫌いになったとかじゃないからな。そんなことを考えていたら、突然言い淀む名前姉。


「藤内……あの、ね。」


眉を下げて伏せられた睫に、やっぱり勘違いさせてしまったか、と取り繕う言葉を探していれば、意を決したようにその口が開かれた。


「あのね、藤内。私…私も全寮制の学校に通うことになったの。」

「え………?」


目の前が真っ暗になったような錯覚。


「だからこれからはもっと会える回数が減ると思うの。休みがあえばいいんだけど、補習とかもあるみたいだし。」


そう言って悲しそうに顔を歪める名前姉。俺はあまりのショックに言葉もでない。俺の休み明けの日にはもう出発するらしく、途中まで一緒に行く約束をして名前姉は帰っていった。


「何でだよ、名前姉……」

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