top > rkrn > ロ

4


「ん……。」


寝苦しさを感じて目が覚める。頭の中は未だにぼうっとしていた。


「あ、起きた?」

「……っ!?」

(なんだ、なんで同じクラスの苗字さんが家に!?)


挙動不審な俺に不安そうな顔で覗き込む苗字さん。


「具合はどう?まだふらつく?」

「な、なんで?」

「久々知くん、今日お休みだったから課題持って来たんだけど、倒れちゃって…あのままだと風邪ひどくなっちゃうから……勝手に入ってごめんなさい。」


ということは、苗字さんが俺をここまで運んだということだろう。そういえばここはベッドじゃなくてソファーだ。


「あー…いや、気にしないでいいよ。」


というか、苗字さん一人で俺をリビングまで運んだのか?だとしたら女の子に酷なことをさせてしまった。


「俺のほうこそ、運ばせちゃったみたいでごめん。」

「ううん。それより体の具合は大丈夫?」

「あ…大丈夫…だと思う。」


ぼーっとした頭のまま何も考えずに答えると、苗字さんが軽く眉をしかめた。


「久々知くん顔真っ赤だよ。まだ熱下がってないんじゃない?」

「そ…かな?」


熱のせいか、舌も上手く回らないのがもどかしい。


「うん。久々知くん気がついたから私もう帰るし、ゆっくり休んで、ね?」


そう言いながら立ち上がった苗字さんの腕を、俺は反射的に掴んでいた。


「いかないで。」

「え。」

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -