TOP > rkrn > 騎士

2


そんなこんなで約束の日に待ち合わせ場所で名前を待っていると、何故か一年は組の団蔵と金吾も一緒だった。今日の事を名前に聞いたらしい二人は、一緒に行きたいと言っている。名前も申し訳なさそうにしているし、こいつらがいれば三郎に変な勘繰りをされなくてすむな、と考えて快く了承した。どっちみち断る理由もなかったし、問題はない。懐具合がちょっと心配なだけだ。





三郎の言っていた通り、自分より歩幅が小さい為少し後ろを歩いていた名前に気付いて、歩調をあわせてみた。何かびっくりした様に見えたけど、これでいいのか?

他に三郎は何て言ってたっけ、と考えて一つ思い出した。確か格好を褒めろとかなんとか。改めて名前を上から眺めてみる……小さいな。淡い綺麗な色の小袖に、緩く纏めた黒髪が映える。大人しくて女の子らしい名前にぴったりだ。やっぱり名前は可愛いのかもしれない。そして視線は上の方に固定された。


「あの、さ。」

「っはい!」


何かすごい照れるんだけど。でももう声かけちまったし、腹を括って言うしかない。


「名前その簪、か、か…」

「か?」

「可愛い、な。よく似合ってるぜ。」

「ぅえっ!?」


あああ言ってしまった。つかまじ恥ずかしい。名前もびっくりしてるし、本当にこれで良かったのかよ三郎。団蔵達も口説いてるとか言うし、これ何ていう罰ゲームだよ。

もう下手な事は言うまいと歩くだけに徹していたら、いつの間にか目的の甘味屋まで来ていたが、まさかそこで兵助に会うとは思わなかった。




「何か悪いな、私まで一緒に入らせてもらって。」


兵助も誘って五人で甘味屋に入った。いいんだ兵助。人数が多い方が、俺も変な気を遣わなくて済むんだから。


「それにしても、ハチの言っていたくのたまがまさか君だったなんてな。」

「はっはい…あの時はあやちゃんが失礼しました…。」


意外な事に、兵助と名前は知り合いだった。何でも前に焔硝倉で色々あったようで、その時に団蔵と虎若も名前と知り合ったらしい。ていうかあやちゃんって誰だ。それと、名前はいくら俺達が先輩だからって、緊張しすぎじゃないか?

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -