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そんなこんなであっという間に翌日を迎え、準備は万端と自室にて携帯を握りしめる。
「……で、皆は何でここにいるの?」
名前の自室には何故か一年は組の面々。教師の二人までいるのには些か驚きを隠せない。
「僕たちも神様を見てみたくて。」
「神様って本当にいるのかな〜?」
「名前さんがここに来れたんだし、いるんだろ。」
えへへへ、とはにかみながら見上げてくるは組の子らに萌え死にそうになりながらも、自分の言う事を純粋に信じてくれているのだと改めて感じ、名前は思わず瞳が潤んだ。
「では、先生方も?」
ついには涙まで零してしまわないように切り替えようと、下に向けていた視線を上に引き上げ、二つの黒装束に問い掛ける。
「ええ、そんなところです。私達もご一緒しても構いませんかな?」
「あ、はい。大丈夫ですが、そんな縁側にいないで中に入っては?」
「ご心配なく。私達はこいつらの引率ですから。ほら、お前達も部屋から出なさい。こんなに大人数で入ったら名前さんにご迷惑だろう。」
子供達に部屋から出るように促す土井から視線を逸らし、吐きだしかけた溜息を飲み込む。子供達は純粋な興味でこの場にいるのだろうが、大人達まで同じな訳がない。きっと監視か何かだろう、とあたりをつけた名前はそれでもやましいことはないのだから、と気持ちを落ち着かせる。
忍者としては当然なこの行為を予想してはいたが、好きな人達にされるのは思っていたよりも辛い。自然と遠くを見ていた名前を引き戻したのは、しんべヱの声だった。