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今日は五年生と六年生とで合同実習があった。
チーム編成は五年生二人に六年生二人というものだ。滅多にない組み合わせだったが、今回あたった五年の二人は息のあう者同士で、先輩の指示にも素直に従うやつらだったので実習は難なく終わった。
「すっかり暗くなっちゃいましたね。」
「まあ、実習自体は楽だったから大して疲れてないけどな。」
後輩の竹谷と俺の言葉を聞いて、隣を歩く伊作が慌てて謝る。
「ご、ごめん!僕のせいで。」
「いやっ、俺はそんなつもりで言ったんじゃ…!!」
自分の言葉を間違って解釈した伊作に焦って謝る竹谷と、横から馬鹿、と竹谷を小突く久々知。そんな光景を見て俺はいつものように伊作に話す。
「別に誰もお前のせいだなんて思ってねえよ。」
確かにやたら罠にはまったり、何もないところで転んだりしたが。
「お前の不運は周知の事実だ。今更そんな気ぃ遣うことでもねぇだろ。」
そう言えば竹谷と久々知も賛同し、伊作の表情も緩い笑みへと変わっていく。
「確かに今更だったね。あ、もう道に出れるみたいだよ。」
そして俺たちが沿道に出た瞬間だった。
「「「せんぱぁぁぁい!!!」」」