TOP > other > 或る少女のお伽話

2


「ボクもう歩けないよぉ〜」

「しっかりしろよしんべえ。」

「早く帰らないと学園に着く前に夜になっちゃうよ。」


木の根元に少年が一人座り込み、その両脇には二人の少年が立っている。

「疲れたしお腹が空いて力が出ないぃ〜。」

「まあ、あちこち走り回ったから無理ないけど。」

「でもにぎり飯はさっき食べちゃったし、この辺りにはお店どころか民家すらないし…」


ガサガサガサ


不意に眼前で茂みが揺れ、少年達は息を呑む。


ガサッ

ビクッ!!

「………あ。」




シ――――ン…




「こ・こんにちはι」

茂みから現れた人物は引きつりながらも、精一杯の笑顔で挨拶をした。

「うわぁ〜キレイなお姉さん!」

お腹が空いているのも忘れて目を輝かせる少年と、いまだ固まっている少年達を見て、茂みから現れた少女はおずおずと話しかけた。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -