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「ボクもう歩けないよぉ〜」
「しっかりしろよしんべえ。」
「早く帰らないと学園に着く前に夜になっちゃうよ。」
木の根元に少年が一人座り込み、その両脇には二人の少年が立っている。
「疲れたしお腹が空いて力が出ないぃ〜。」
「まあ、あちこち走り回ったから無理ないけど。」
「でもにぎり飯はさっき食べちゃったし、この辺りにはお店どころか民家すらないし…」
ガサガサガサ
不意に眼前で茂みが揺れ、少年達は息を呑む。
ガサッ
ビクッ!!
「………あ。」
シ――――ン…
「こ・こんにちはι」
茂みから現れた人物は引きつりながらも、精一杯の笑顔で挨拶をした。
「うわぁ〜キレイなお姉さん!」
お腹が空いているのも忘れて目を輝かせる少年と、いまだ固まっている少年達を見て、茂みから現れた少女はおずおずと話しかけた。