1
今…私は黙々と勉強している
そう、何も考えないで黙々と…!!
「そう思ってる時点でアウトだろ?」
「兵助…心読まないでよー」
「名前は顔に出やすい、俺が宿題手伝いに来た意味は…?」
「…豆腐で釣られたくせに」
まぁ、実際に現実逃避しまくって進んでないんだよね…だって、部屋に兵助と二人きりだよ!集中できるわけないじゃないか…!!!
………豆腐で釣ったの私だけどさ!
「とりあえず今日は29ページまでにしてやるから」
「え?」
「行くんだろ?…夏祭り」
「行くっ!!!」
"なら、頑張れ"と笑いながら頭を撫でてくれる兵助
夏祭りデートの為!
名字名前は頑張って宿題します!
それからは思っていた以上に集中出来た
兵助にヒントをもらいながらだったけど問題をどんどん解いていって残り1ページ!
…なんだけど、このYさんが出てこない…
「んー…ね、兵助…このYって?」
「そこはここでX=3になっただろ?それをこっちに代入すれば」
「あ!そっか、じゃあこの答えは…Y=5!!」
「正解」
私は"終わったー!!"と背筋をおもいっきり伸ばした
しっかし、本当に兵助は優秀だなぁって思う
兵助には分からないものとか無さそうだなぁ
「いや、俺にも分からない事はあるよ?」
「へ?うそ?何々!?」
この際、言葉になって溢れてたとかは気にしないよ!!
それより、兵助の"分からないもの"を知りたい…!!
わくわくしながら兵助にズイッと迫る
「…知りたいなら早く夏祭り行くぞ、冷奴が俺を待っている」
………逃げられた
持ってきた浴衣に着替えてお祭りモード!
兵助は紺の浴衣に着替えてきた…似合い過ぎる
「…名前、その浴衣似合ってるな」
「あり、がとう…兵助も似合ってるよ!」
「ありがとう…」
微笑む兵助につられて私も笑った
夏祭りの会場は既に大にぎわい
なんというか人の波が凄い
とか感想を心の中で思ってたら兵助が私の左手をとった
「じゃあ、宿題頑張ったし…楽しもうか名前」
「うん!」
この後は二人でわたあめを半分こして食べたり、兵助の射的の上手さに感動したりいっしょに花火みたり、とても楽しかった!
兵助の"分からないもの"、
それが私の心だったと知るのはまだ先のおはなし―…
(花火、綺麗だったねー)
(…冷奴が美味かった)
(兵助さっきからそればっか…何?どうかした?)
(いや、何もないぞ…?)
(ふーん、変な兵助ー)
((鋭かったり、鈍かったり、本当に名前だけは分からない))
――――――――――
三月の馬鹿の楓ちゃんから頂いた相互記念です。兵助かっこいいよ兵助!二人でお勉強会とか、私興奮しすぎて鼻血出しかねないんですが!
夢主ちゃんも可愛いし、ほわぁーってなりますね^//^本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。