02-3

カサリと袋が擦れる音がして目が覚めた。

どうやら知らない間に桜の木に凭れて寝てしまっていたようだ。

ボーッと足元を眺めていると「おはよう」と右隣から急に聞こえた声に吃驚して肩がビクリと震えた。

「わあ!ごめんごめん!」

隣を見れば驚かししちゃったねと笑うりおがいた。

(情けないところを見られた…)

そこで記憶が少し戻る。

りおに公園で待ってると返信をしてから木に凭れて座ってたら心地いい睡魔に襲われてそのまま…

「わるい…」

「まあ、気にすんなー」

おかげでレアな写メ撮れたから、と言いながら携帯を「はい」と目の前に出してきたりお。

何だ?と思い携帯を手にとって見てみると…

「おい、りお」

「んー?」

「何で俺の寝てる写メが待ち受けに設定されてるんだ??」

「んふふ、気のせいだよー」

そんな事より桜を愛でようじゃないか、と携帯を俺の手から奪って話をはぐらかすりおに消せよと携帯を奪い返した。

「やーだー!」

「消せよ、んなもん…!」

消せ!

やだ!

消せ!

やだ!

なんてやりとりを何度か繰り返してるうちにりおは楽しくなってきたのか笑いだして、それにつられて俺も笑った。

「ふふ!ね、シズ」

カチカチと携帯を操作したと思えばりおは花見記念!と言いながらくっついてきた。

「花見記念?」

「うん!だから、一緒に写真撮ろう!」

ピッタリと右腕に体をくっつけたりおに一瞬は動揺したものの、「後で送れよ」とカメラの画面に入るように少し顔を近づけた。

「はいはーい、じゃあ撮るよー」

「おう」

シズも笑ってね!と言ってから定番の1+1は?と言いながらりおはボタンを押しかける。

2!と元気よく隣から聞こえたのとカシャッと携帯のシャッター音が鳴ったと同時に頬にキスをした。


二度目のキスは
   笑ったきみの頬に



(い、今なにした?!)
(さっきの写メの仕返し)
(だ、だ、だからって…!)
(さっきの絶対送れよ)



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