現在進行形の初恋


恋とは、難しいものだ。

自分ばかり好きでいても

相手も同じ気持ちになって

矢印が向き合わなくては成り立たないのだから。

だから、面倒で鬱陶しくて嫌いだ。

……………とか、言いつつも

「こう、すけ?」

俺は今現在、目の前に座るみよじなまえと言う幼馴染みに

恋い焦がれているわけだが…。

「どうしたの?」

大きな目を数回瞬きさせて

首をかしげてその一言。

「いや、何でもない」

いや、実際は何でもなくない。

ただでさえ整った綺麗な顔が

夕日に照らされて綺麗で見惚れてしまい

俺としたことが

見つめたまま突っ立っていたようだ。

「そう?何にもないならいいけど」

部活、無理しないでね。と

なまえの右手が延びてきて頭を撫でた。

(くそっ、襲ってやろうか…)

「帰ろっか!」

「おう」

きっと、いや絶対

なまえは気付いていないのだろう

「夕飯オムライスだから孝介も食べにおいでってお母さんか言ってた」

「久しぶりだな、おばさんのオムライス食うの」

好意を寄せられてることとか

「食べ終わったら宿題教えてね」

「それぐらい自分でしろよ」

些細な仕草が

俺の心臓を早く動かしていることでさえも。

あぁ、恋とは何て難しいもので

面倒で鬱陶しいのだ。


現在進行形の初恋

(孝介は気付いてくれない)
(私は、こんなに大好きなのに…!)


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